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Friday

ペンの聖地から来たディップペン / Antique Wooden Shaft Dip Pen with Nib

 英国アンティーク、木軸のディップペン。














イングランド、バーミンガムはペン産業において非常に大きな役割を持っていた都市です。


19世紀にバーミンガム中心部の北西部地域、「Jewellery Quarter/ジュエリークォーター」と呼ばれる地域で発達しました。

世界のペン貿易の中心地であり、ほとんどのディップ ペンがそこで生産されていたといいます。ジュエリークォーターの最盛期には、約100のペン工場があり、約8,000人もの職人を雇用していました。



そんな背景をふまえ、今回ご紹介するペンをみてみましょう。


まずは木軸から。明るめの色合いの木製。指が触れる部分は滑りどめ兼デザインのポイントとなる凹凸が施され、ペン先を差し込む部分は少し変わったデザインで、以下の文字が刻まれています。


BRANDAUER

& Co

BIRMINGNAM


1862年にバーミンガムで創業した「BRANDAUER/ブランダウアー」。もともとはペンを中心に製造し、世界中に輸出していましたが、1966年にごく一部を除きペンの製造は終了。現在は金属技術を用いたプレス機器などの製造を続けている会社です。


ブランダウアー オフィシャルサイト

https://brandauer.co.uk/


ブランダウアー ブログ(歴史について書かれています)

http://historycbrandauer.blogspot.com/2011/03/herr-carl-kuhn-more-on-austrian.html



そしてペン先には以下の文字。


GEORGE W. HUGHES

MILLION PEN

BIRMINGNAM


1840年代(一説には1860年代)にGeorge W. Hughesによって創業された「George W. Hughes」。高品質なペン先を生産し、そのなかでも「MILLION PEN/ミリオンペン」は同社の看板商品だったようです。1888年にロンドンに事務所を開設するなど事業を広げていきましたが、1960年代には生産を終えているようです。



調べた結果、ペン軸とペン先は異なる製造元であるものの、どちらもバーミンガムのもの、そして歴史としては1860年代くらいから1960年代くらいまでの間に製造されたものである、ということがわかりました。


それはまさにディップペンの歴史そのもの。19世紀後半に一気に需要が拡大し、20世紀に入って万年筆やボールペンの登場によりどんどんとディップペンの需要は減り、ついには製造停止となる・・・ということでしょう。


作られていた期間は100年余りと非常に長いので、今回のお品物の年代はなかなか特定しづらいのですが、普及の具合と品物の雰囲気からして、おそらく1900-1920年代頃のお品物と推測いたします。



ペンの聖地、バーミンガムから来たディップペン。そこから描き出されるインクの線は、どこか他の物とは異なるような気がします。


描くことの大切さをご存じの方へ、お届けいたします。




◆England

◆推定製造年代:c.1900-1920年代頃

◆素材:木・金属

◆ペン先装着時サイズ:全長約19.6cm

◆重量:5g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆や変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*ペン先は多少使用感がございます。

*現行品のGペンを差し込むことが可能です。

*ペン軸の金属部分はペン先を抜くときに抜けてしまうことがあります。金属部分を持って外してください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A