英国アンティーク、真鍮のトロイオンス・ウェイト。
「トロイオンス/Troy ounce」ご存じでしょうか。
貴金属や宝石の原石の計量に用いられる重さの単位のことで、日本語では「トロイ衡(こう)」と呼ばれます。
「Troy」という名前は、イングランドの商人が9世紀前半ごろから取引していたフランスのトロワに由来するものという説が有力です。
また、1307年以前のヘンリー3世もしくはエドワード1世の統治下で成立した「度量衡法」(Tractatus de Ponderibus et Mensuris) に「troni ponderacionem」という文言があり、Public Record Commissioners(英国の公的記録を司る委員会)はこれを「troy weight/トロイ衡」と訳しているとされます。
貴金属や宝石の計量に用いられる単位で、日本語では金衡(きんこう)ともいいます。
メートル法が採用される以前、ヨーロッパの各地で多様なトロイ衡が使用されていました。
オランダトロイ、パリトロイなどがあり、それぞれ少しづつ異なったため、商人たちはそのトロイを使うのか苦心したといいます。イングランドでは15世紀に初めてトロイ衡が使われ、1527年には金・銀の計量の公式単位になりました。かつては、1トロイポンドの銀をそのまま通貨として使用しており、これが通貨単位としてのポンドの由来とされています。
現在でも貴金属の取引単位は「トロイオンス」が国際標準となっており、、1トロイオンス=31.103 4768グラムと定められています。なお、日本においてはトロオンスは金貨の質量の計量のときにだけ使用が認められた単位であり、金のインゴットはグラム表記とされています。
そんな背景のあるトロイオンス。
今回ご紹介するのは、古い英国のトロイオンスウェイト。
真鍮製のスタッキングタイプで、上から1/4,1/4,1/2,1,2,合計5ピースで、4トロイオンスとなっております。時代は古く19世紀のお品物と推測いたします。
1個づつ重さを測ってみると、以下の通りとなりました。
2oz 63g
1oz 32g
1/2 16g
1/4 8g
1/4 8g
上記合計すると合計127g
ただ、すべて一緒に測ると125g。
表記上は合計4トロイオンス(=124.412g)であるはずで、多少の誤差が認められます。これは私の使っているスケールが1g以下が測れないせいと思われます。申し訳ございません。
このようなスタッキングするウェイトは小さいため欠品が出やすく、とくに一番小さなものもセットで残っていることはとても珍しいと言えます。さぞ大切に保管され、使われてきたことをうかがわせます。
そして古くから金銀宝石を測ってきた特別なウェイトは、多くの価値あるものと過ごしてきたことでしょう。それが巻き起こす様々なことも目撃してきたかもしれません。
気持ちよくスタッキングするずっしりとした真鍮を手にしながら、ゆっくりと想いを巡らせてみるのはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.19世紀
◆素材:真鍮
◆サイズ(スタッキングした時):直径約3.7cm 高さ約3.2cm
◆総重量:4oz=約g
◆2oz:約63g
◆1oz:約32g
◆1/2oz:約16g
◆1/4oz:約 8g(2個)
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A