英国アンティーク、フレーム入りアンブロタイプ。
「アンブロタイプ/Ambrotype」とは「湿板(しっぱん)写真」の一種。ガラス板に薄いネガ像が張りついている状態であり、背景に黒を敷くとポジティブ像に見え、そのまま写真として鑑賞することができるものです。
一方で「乾板写真」がありますが、これは「写真乾板/しゃしんかんぱん」とよばれる、写真フィルムが普及する前に使われていた感光材料を使った写真のこと。
写真乾板は、透明なガラス板に光を感じる薬品(写真乳剤)を塗って乾燥させたもので、撮影後に現像処理を行うことで写真像を記録します。状態としてはネガティブ像として記録され、現像することでポジティブ像となります。これが発展したものが写真フィルムです。
写真の黎明期、19世紀中頃は、前述の「湿板」が主流であり、薬品が濡れた状態でしか撮影できないものでした。
後に登場した乾板はあらかじめ薬品を塗って乾燥させておけるため、撮影現場で暗室作業をする必要がなくなり、風景や旅行などの撮影が飛躍的に自由になりました。
前段が長くなりました。
今回ご紹介するお品物は、前述のアンブロタイプをフレーミングしたものです。
19世紀中ごろはこのようなタイプのものが多く作られており、貴重な写真(基本的に1枚のみ)をきれいにフレーミングすることが一般的だったようです。2枚を蝶番でつなぎ本のように閉じる形で、携帯に適したものもありました。
今回のお品物は1枚物で、トップに小さい丸環もあることから、壁にかけておくための形状と推測いたします。仕上げは紙で、やや傷んでおりますが、そのおかげでフレームの構造に使われている木も観察することができます。
映し出されているのは妙齢の紳士。
ややカジュアルなジャケットを着て、わずかに微笑む様子は好ましく、なかなかな美丈夫とお見受けいたします。大柄なカーテンやテーブルクロス、そしてジャコビアン様式のチェアなどが当時の写真館の様子を物語っており、興味深さは尽きません。また、当時としてはかなりな高級品であった写真撮影をするということは、かなりな富裕層だったのではないでしょうか。
ちなみに「アンブロタイプ/ambrotype」の名称は、ギリシャ語で「不滅」や「永遠」を意味する「アンブロトス/ambrotos」という言葉に由来しています。この技法が確立されたときは、その前のタゲレオタイプ(1839年にフランスのルイ・ジャック・マンデ・タゲールによって発明された技法)に比べて、さぞ「不滅」であり「永遠」に残るものである、と考えられたのかもしれません。
スマートフォンでさっと撮影し、すぐにその場で確認・加工する。
いまのこの技術が、未来にはいったいどうなっているのでしょうか。
180年を超えてきたアンブロタイプを眺めながら、「不滅」とは、「永遠」とはなんだろう・・・そんな風に思わずにはいられなくなる。
アンブロタイプの中のヴィクトリア時代の英国紳士に見守られながら、貴方の答えを探してください。
◆England
◆推定製造年代:c.1850-1860年代頃
◆素材:ガラス、木、金属、紙
◆サイズ:幅約8.2cm 高さ約9.3cm 厚み約1cm
◆重量:39g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、紙の破れや歪み等がみられます。
*丸環は華奢なものです。現段階で吊るすことは可能ですが、力が加わると破損の可能性があります。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A














