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Friday

メートル法で大陸を覆うために/Antique Pendulum Postal Letter Balance/326-754

 英国買付アンティーク、自立型振り子式レターバランス。














英国のアンティークマーケットで手に入れた、真鍮製の秤。



しずく型のプレートが支柱から吊り下げられ、さらに手紙を乗せるためのアームが横に飛び出しております。


このようなタイプは「Pendulum Postal Letter Balance/振り子式レターバランス」とよばれ、主として19世紀によく使われていたものでした。



しずく型中心部の真鍮の「指針/Pointer」は、中心軸上で常に真上を指すようにバランスされています。対象物を乗せ、せり上がった円盤が、どの高さで止まっても、自動的に指針は真上を指すので、その時に真上に来る数値が対象物の重量となるよう、円盤の数値は計算されて刻まれています。



単純な原理でありながら、これらの組み合わせとバランスにはしっかりとした理由と根拠が詰まっていると思うと、このユニークなかたちにもより愛着が湧いてくるのではないでしょうか。




そして刻まれている単位は「G」と「L」。


約5gの葉書を乗せてみたところ、大体「5G」をさしましたので、「G」はグラムでしょう。

そして「L」は・・・何でしょうか?


「G」と「L」は微妙にずれており、50Gが3Lと重なっています。





実は当店ではこのようなタイプのレターバランスを取り扱ったことがございます。それはヴィクトリア時代の英国の品物で、自立型ではなく、手で吊り下げて使用する物でしたが、単位は「OZ(オンス)」と「D(ペンスの略号)」でした。つまり、重さとそれに対する料金。


それに準じて考えれば「G(グラム)」に対し「L」は通貨の可能性が高いかと思い、ヨーロッパや近郊の通貨を調べましたが、葉書10枚50gに対して3Lとなるような通貨単位はみつけることができませんでした。(リラやルーブルは、もっと高価です)





それでは、なにか特殊な状況下で使うものかもしれない、と切り替えてさらに調べてみたところ、過去にドイツで「ロット/Loth」という重さの単位が使われていたことがわかりました。値はドイツ国内の都市によって異なり、場所によって14gから18gまで。


14gとすると3Lは42g、18gとすると3Lは54g。この秤の「50gに対して3L」という数値内に十分おさまります。このロットは1856年、フランス発祥のグラムとキログラムに法律によって置き換えられ、ドイツ全土で重量単位が標準化された・・という経緯がございます。





つまり、この秤は「ロットからグラムへ」の変換期に使われていたものなのではないでしょうか。


使われていたのはドイツかと思いますが、作られたのはフランスの可能性が高いと思います。フランスはこのような秤を作っていましたし、自分のほうに合わせさせるので、このような秤を作って半ば強制的に配布させた・・・と考えることも、あながち無茶なことではないでしょう。




18世紀末にフランスで誕生したメートル法を、大陸に普及させるために。

地道な作戦があらゆるところで行われていたのかもしれない・・と思うと、改めて面白く、古いものを扱う醍醐味を感じました。



ゆらゆら揺れる古い秤を眺めながら、貴方も過去への探求の旅をお愉しみください。



◆England買付、FranceもしくはGermanyの可能性

◆推定製造年代:c.1856年前後

◆素材:真鍮

◆サイズ:高さ約183cm 幅約11cm ベース直径約5.3cm

◆重量:194g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*大体合っていますが、精密な測定にはお勧めできません。

*梱包・発送の際には場合によりベース部分を外してお包みすることがございます。お手数ですがご自身で組み立てをお願いいたします。工具は必要ございません。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A