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Wednesday

三日月かかるイヴェット川の水辺 / Antique Watercolor Painting with Guilt Frame "Palaiseau"

凝ったフレームにおさめられた、19世紀フランスの小さな水彩画。












英国のアンティークフェアで手に入れた小さなアートフレーム。


ちょっと強面のフランス人のおじさまが、あらゆるアンティークアイテムをひたすら細長いテーブルに並べている・・・そんなストールの片隅でみつけました。
手にとって眺めていると「19世紀のオリジナルだよ!」と半ば怒鳴るように、でも顔をみれば本当に嬉しそうに、こちらを見ておりました。

「いいフレームだ。こんな小さいのは珍しいよ」と、またも怖い声で、でも笑顔で。


おじさまの迫力と、小さなフレームから流れ出る魅力に抗いがたく、もう1点とペアで手に入れてしまいました。


フレームは木をベースに、石膏のモールディングで飾りをつけ、金彩をほどこしたギルトフレームでしょう。絵の部分はわずか直径5.2cmほど。
マットは渋いゴールドで、絵の世界観を崩さずに格調高い雰囲気をだしています。

絵自体は水辺の夜景がモチーフ。
空にかかる淡い三日月、青とも紫ともつかない水面、周囲の木立。
どれもが一体となって、静かな夜の空気がしんしんと流れてくるようです。
サインはありますが、誰の物かの判別はつきませんでした。

背面上部には手書きの小さなラベルがついており、おそらく「Palaiseau」と読むことが出来ます。


Palaiseau/パレゾーとは、フランス、パリの南にある古い街の名前。
名前の由来はラテン語で宮殿を意味するPalatoliumからであるとされ、フランク王キルデベルト王の王城を指す言葉であったとされています。

19世紀半ばには鉄道がとおり、シャルトル=パリ間の中継地点となったパレゾーは、パリジャンにとってアクセスしやすい場所となりました。
北には小さなイヴェット川が流れ、緩やかで緑豊かな丘陵地帯ももつパレゾーは、ちょっとした田舎気分をたのしめる郊外の街、といったところだったことでしょう。
文筆家や富裕階級の人々が家を建てて移り住むようになったといいます。


以上のことから、この絵はパレゾーを流れるイヴェット川の水辺をモチーフとしたものではないか、と思われます。



この水彩画は、もう1点とペアのような形で買い付けました。(ちょっとだけ大きさは違います)よろしければ、そちらも是非ご覧になってみてください。

こちらが夜、もうひとつが夕暮れ。どちらもフランスの地方の風景を描いています。






小さいながらも、確かな存在感をもつフランスのアートフレーム。

インテリアに取り入れれば、ぴりりと効くスパイスのように、19世紀フランスの空気をふりまいてくれることでしょう。



◆France
◆推定製造年代:c.19世紀後半
◆素材:紙、木、他
◆外寸サイズ:幅約13.5cm 奥行き約8.2cm 高さ約11.5cm 厚み約1.4cm(裏の金物を除く)
◆重量:122g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A