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Friday

小さく雄弁な歴史の証人 / Antique WORLD WAR 1 MILITARY COMPASS by BAVARIA

第一次大戦時に使用されたと思われるドイツ製コンパス。



















英国のアンティーク市場で人気があるもののひとつ、コンパス。

大抵は年季の入ったおじさまが売り手となっており、そして大抵は男性客が大きな手に小さなコンパスをのせ、じっくりじっくり見ている・・・
そんな様子が展開されています。


さて、今回ご紹介するコンパスを手に入れたのも、英国。
ただ、他のコンパスに対し、明らかにどこか違う雰囲気をもっていて、とても惹かれて手に入れてしまいました。


よくみれば、コンパス本体に、上蓋のように開くことが出来る凸面鏡がついています。
面白いことに、コンパスの反対面はミラー。そして、その鏡にも同じように、上蓋のように開くことが出来る凸面鏡がついています。

コンパスの文字盤には「BAVARIA」の文字。
これはドイツ・バイエルン州のラテン語名・英語名を表します。
そして、このマークは、第一次大戦中にドイツで使用されていた簡易型望遠鏡兼コンパスによくみられるものとなっています。


ちょっと推測を交えたものとなりますが、使い方をご説明いたしましょう。


本来は、コンパス本体から棒状の支柱が伸びていて、そこから折り畳み式の小さなレンズが2枚、ついていたようです。
その小さなレンズ2枚を両目にあて、コンパスに直接ついているレンズ2枚も広げ、大小2枚のレンズを通してみれば、簡易的な双眼鏡として使用できました。
コンパスはもちろん方位を知るため、そしてコンパス反対側についている鏡は太陽を反射させて合図に使用したようです。


今回ご紹介するコンパスは、その棒状の支柱及びそこについていた2枚の小さなレンズがついていないものとなっています。

何らかの理由で破損したのか、もしくは初めから組み立て式で、あえてコンパクトに持てる分だけで使われてきたのか。

その辺りは定かではありませんが、凸面鏡はルーペに(2枚あるので重ねればさらに倍率の高いルーペとして)、コンパスとミラーを使うためなら、十分事足りるものとなっています。



手ですっぽり握れるほどの小さく、特別なコンパス。
いったい誰と、どんな時間を過ごしてきたのでしょうか。


そっけないほど機能性を追求したなかに光る、そぎ落とされたような意匠をみるとき、その背景とかかわってきた人々のことを思わずにはいられません。


小さいながらも雄弁な、歴史の証人がひとつ、ここに在ります。


◆Germany
◆推定製造年代:c.1910年代頃
◆素材:金属・ガラス・ミラー・他
◆外箱サイズ:直径約4cm 厚み約2cm
◆重量:44g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪みなどがみられます。
*ガラス面、ミラー面にも汚れがみられますが、ヒビやカケはございません。詳細は画像にてご確認ください。
*方位は大体合っていますが、正確な計測用にはおすすめできません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=136420788


Todd Lowrey Antiques
by d+A