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Wednesday

心強い旅の道連れ / Antique Travel Chess Set


英国アンティーク、端正な木箱に納められたトラベルチェスセット。














一見すると、ごくそっけない薄手の木箱。

しかしよく見れば、しっとりとしたマホガニーでできた蓋の材や、ほぞ組みで仕立ててある堅牢なオーク材の四方のフレームも、手の込んだものだということがわかります。

スライドする上蓋をそっと滑らせれば、中から現れるのは碁盤の目のチェス盤、そしてちいさなちいさなチェスメン(チェス駒)が1セット。

碁盤の目はペイントではなく、異なる色の木をはめ込んで作ったもの。
濃色はウォールナット、薄色はメイプルもしくはチューリップウッドかと思われます。
ひとつひとつには穴があいており、そこにチェス駒についているスティックを差し込んで、その場所に駒を安定してセットしておけるようになっています。

蓋と駒の隙間が少ないため、駒を穴に差し込んで蓋をしめれば、横にしても逆さにしても駒はそのままの位置に在るようになっています。

例えば揺れる汽車や船の中などでもチェスをたのしみ、もし途中で移動しなければいけなくなっても、蓋を閉めればそのままの状態でキープしておける、という優れもの。


今回ご紹介するのは、そんな「トラベル・チェスセット」です。



ヴィクトリア時代以降、英国では鉄道網や航路の充実により、多くの人々が旅行をたのしみました。

それでも、今よりはもっともっと、移動に時間がかかった時代。


例えば1904年にグレート・ウェスタン鉄道により運行を開始したコーニッシュ・リヴィエラ・エクスプレスは、ロンドンを10時10分に出発し、コーンウォールのペンザンスに17時10分に到着したそうです。

この所要時間7時間はそれまで他の鉄道が9時間かかっていたところを、2時間も縮めた画期的な路線だったとか。(ちなみに途中の停車駅は4駅のみ。1987年の同路線は途中13駅に停車し所用時間は5時間5分となっています)



例えば1900年代、コーニッシュ・リヴィエラ・エクスプレス車中にて。

ロンドン、パディントン駅を出発し、西へ西へ、ブリテン島の先端めがけてはしる鉄道。
晴れている日はまだいいけども、どんよりとした曇りや雨の日は、車窓の楽しみも半減(いや、そういう日のほうがおおいけども)。
そんなとき、荷物から取り出すのはトラベル・チェスセット。
道連れがいるときはその人と、もしいなければ隣席の紳士を誘ってみたり。
チェスの深い世界にのめり込めば、7時間なんてあっという間。
それが縁で、チェス好きの友人がひとり増えたりするのもまた旅の楽しみ。
旅行鞄にはいつもこのチェスセットがはいっているのさ!
・・・そんな紳士が少なからずいたのではないでしょうか。



当時の様子そのままに、ぜひ車中で蓋を開けてみたくなる、英国アンティークのトラベル・チェスセット。

次回の旅行に向けて、貴方の鞄にもひとつ、いかがでしょうか?



◆England
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆素材:木
◆外箱サイズ:幅約17.6cm 奥行き約17.6cm 高さ約3.2cm
◆重量:339g
◆在庫数:1セットのみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材のカケや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=136330710


Todd Lowrey Antiques
by d+A