英国の大きなアンティークセンター。
複雑な内部の造りに、自分が今どこにいるのかわからなくなるような建物のなか。
アンティークの洪水に、途方に暮れた目にはいってきたのが、このポスタルスケールでした。ひとり凛々しく立つ姿に、ちょっと感動したのを覚えています。
よくよくみれば、丸い重りのそばには小さなロゴマークとともに、「concav」の文字がみえます。
「concav」とは、ドイツ、オーデンヴァルトにおいてPhilipp Jakob Maul te Zellが1913年にはじめたメタルウェアのファクトリーのブランド名。
オーデンヴァルトとは、「オーディンの森」の意味をもつドイツ中部、山と河と森に囲まれた地域のこと。また「オーディン」とはヨーロッパ神話の主神であり、戦争と死の神、詩文の神でもあります。
そんな地で生まれたポスタルスケール。
色々なタイプのものが散閲されますが、このようなタイプのスケールは、1925年前後に制作されていたようです。
上のお皿に物を置けば、重りの振り子を付けた扇型部分がくるりと持ち上がって、針が目盛りを指すようになっています。土台には小さなネジが仕込まれていて、これを操作することにより、より水平に近い状態へ設定できるようになっています。
材は黒色部分と金色系の色のツートーン。
経年による錆びや塗装の剥げがあり、それがまた雰囲気をかもしだしています。
単位はグラムで、500gまでの目盛りつき。
実際に測ってみると、多少の誤差はございますが、大体の場所を指してくれます。
買い付けは英国ですが、この測りの生まれはドイツ。
英国でアンティークの測りを手に入れて調べると、このようにドイツ製やチェコ製など他のヨーロッパ製のものであることがよくあります。
それだけ、当時英国は豊かであり、ヨーロッパにおいて一大消費地であったということなのかもしれません。
機能性と意匠性が快く溶けあった、インダストリアルな美を感じる逸品。
凛々しくひとり立つドイツの職人のような、孤高のアンティーク・アイテムです。
◆Germany
◆推定製造年代:c.1920年代頃
◆素材：金属
◆サイズ：幅約21cm 奥行き約11.2cm 高さ約23.5cm
◆重量：約238g
◆在庫数：1点のみ
【NOTE】
＊古いお品物ですので、多少の汚れや小傷、錆びや塗装剥げなどがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
＊正確な計測用にはおすすめできません。
＊受け皿を取り外し、脚をたたんで梱包、発送いたします。お手数ですがご自身で組み立てをお願いいたします。工具は必要ございません。
＊画像の備品は付属しません。
＊上記ご了承のうえ、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d＋A
