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Tuesday

中世の橋を描いたアーリーヴィクトリアンの鋼板画/Antique Steel Engraved Print with Vintage Frame

英国アンティーク、19世紀の鋼板画のアートフレーム。

















イングランド中部のアンティークフェアで手に入れた1枚のアートフレーム。
タイトルは「Gateway & Bridge  Ragland」。



背面には英国のディーラーにより2か所に説明書きが貼られています。

下部の1点は恐らくフレーミングしたディーラーによるもの。
130年以上前、推定年代1839年にロンドンで発行されたオリジナル鋼板画であることが書かれています。このことから、フレーミングされたのは1970年代かと思われます。

上部の1点は更に最近のもの。
このフレームを扱っていたアンティークディーラーによるものです。
タイトルや作家、そして由来が説明されています。



まず、この絵のモチーフを確認いたしましょう。

タイトルは「Gateway & Bridge  Ragland」。
これは、ウェールズのモンマスという町に在る「Monnow Bridge/モノウ橋」を描いたもの。モンマスのごく近くに「Raglan/ラグラン」という町がありますので、「Ragland」はそこのことだと思われます。当時はその地名でよばれることもあったのかもしれません。

橋の由来はなんと13世紀後半、1275年といわれています。

イングランドではエドワード1世の治世であり、1276年から始まるウェールズ侵攻の直前。1282年にはウェールズ大公のルウェリン・アプ・グリフィズがエドワード1世に敗れ、イングランドの支配下に置かれてしまいますので、1275年はぎりぎりウェールズが独立した国家であった最後の一瞬と言えると思います。


そんな時からあったモノウ橋は、完成後2-3年で門楼/ゲートハウスが取り付けられたといいます。防御というよりは、通行税を取るための要素が強かったようです。

その後の長い歴史のなかで度重なる増築や修復はあったものの、現在も中世の面影を強く残すモノウ橋は、中世の要塞化された河川橋としては英国で唯一現存するものであり、英国登録建造物/Listed Buildings of United Kingdomとなっています。



そんなモノウ橋はその印象的な外観から、昔から多くの風景画家がモチーフとしてきました。
この鋼板画もそのうちのひとつ。作家はHenry Gastineau/ヘンリー・ガスティノー(1791?1876)、彫刻はW.Deeble/W.ディーブルです。
ウェールズの様々な風景を描いたシリーズのひとつとして、ロンドンで発行されたもの。
オリジナルはモノトーンですが、これは手彩色で色が加えられています。

緻密な鋼板画の細線の上に、すっきりときれいな色が置かれた1枚は、アートとして充分見応えのあるもの。
フレーミングはマットにあえてブルーがかったグリーンを配し、全体を格調高くまとめ、フレーミングした人のセンスが感じられるあしらいです。


牧歌的でありながら、歴史と伝統を感じずにはいられないモチーフのアートフレーム。
ウェールズとイングランドの歴史の源から佇む中世の橋は、今もなおモンマスで河の流れを見下ろしています。


今あらたに貴方のお部屋にも。
遥かな歴史の支流を1本、曳いてみてはいかがでしょうか。


◆England
◆推定製造年代:版画c.1839年 フレーミング:1970年代頃
◆素材:紙・木・ガラス・他
◆サイズ:幅約22.8cm  高さ約30.7cm
◆重量:527g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

https://toddlowrey.com/?pid=144689636


Todd Lowrey Antiques
by d+A