英国ヴィンテージ、ベスウィック製牧羊犬のフィギュア。
風に立ち向かい岩場に佇む、孤高の羊飼いのような・・・犬のフィギュアを手に入れました。
製作は英国の老舗、ベスウィック。
ベスウィック/ベズィック/Beswickとは、James Wright Beswick と彼の息子により
イングランド、ストークオントレントに1892年に開かれた窯元。
1969年からはロイヤルドルトンの傘下となリ、その後2002年には工場自体も閉鎖されてしまいました。食器類も生産していましたが、有名なのは動物を中心としたフィギュア。
柔らかく光を反射する陶肌と、フィギュアのいきいきとした表情は多くのコレクターの心をつかんで離しません。
さて、今回ご紹介するのはそのベスウィックの得意とする動物フィギュア。
底面には以下の文字がみられます。
BESWICK
ECF5
SHEPHERD SHEEPDOG
「ECF5」は「English Country Folk」というシリーズ名の略。
1993年9月から1994年にかけてベスウィック・ブランドとして発売されました。
バリエーションは全部で8体。「ECF5」はそのうちの5番目のデザインという意味です。
そしてこの「SHEPHERD SHEEPDOG」の販売終了は1999年となっています。
「folk」は「人々」の意味がありますので、「英国の田舎の人たち」という感じの意味でしょうか。
どれもが動物で、まるで人間のように服を着て直立しており、生態にちなんだなんらかのキャラクターを与えられています。
今回ご紹介するのはそのなかの「SHEPHERD SHEEPDOG/シェファード・シープドッグ」。「SHEPHERD」は「羊飼い」の意味、そして「SHEEPDOG/シープドッグ」とは牧羊犬のこと。
羊飼いのお手伝いをする牧羊犬には、様々な犬種がありますが、最も代表的なのはボーダーコリーでしょう。
長めの黒い毛にポイントで白が入った中型犬のボーダーコリーは、8世紀後半から11世紀にかけて、バイキングによってスコットランドに持ち込まれた、トナカイ用の牧羊犬が祖先とされています。コリー等との交配を経て19世紀末頃に現在の形になりました。
また、ボーダーとは「国境」という意味。イングランドとスコットランドの国境あたりが原産のため、この名前がついたといわれています。
この国境地方は岩場が多く天候も悪い日が多く、外で働く羊飼いにとっては大変厳しい環境です。
そんな羊飼いを助けていたのが、ボーダーコリー。タフで賢く、飼い主には従順で、牧羊犬として最高の性質を備えています。
このボーダーコリーが羊飼いをしている、という設定のフィギュア。
イングランド・スコットランド国境沿いの冷たく強い風にも耐えるように、首元にはしっかりとマフラーを巻いて。お揃いのソックスもなかなか素敵です。
寒さと急な陽ざしの強さから頭を護る帽子、羊飼いらしいショートコート。
足元は厳しい岩場を表現するように凸凹が表現されています。
そして手に持つ杖の持ち手は「シェファーズ・クルーク」!
一般の杖より先が曲がっている羊飼い用の杖は、フックを毛に引っ掛け、はぐれかけた羊を群れに戻すという手段に使われてきました。
それがもとで、迷える羊たち(信徒)を救うイエス・キリストが持つ杖として表現されることがございます。
さすがベスウィック、そんな描写もぬかりなく、ボーダーコリーの羊飼いの小道具は完璧。
英国の羊飼いの姿をした、賢く優しいボーダーコリー。
迷える貴方をずっと見守り続けてくれることでしょう。
◆England
◆BESWICK
◆推定製造年代:c.1993-1998年
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約6cm 奥行き約5.5cm 高さ約14.2cm
◆重量:119g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、接地面にわずかに汚れがみられます。
*ヒビやカケなどはございません。詳細は画像にてご確認ください。
*箱は付属しません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A