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Tuesday

ナポレオンの蜜蜂が届けるオペラグラス / Antique Opera Glasses with Case by LEMAIRE PARIS

フランス・アンティーク、ルメールのケース入りオペラグラス。

















 双眼鏡や望遠鏡、そしてオペラグラス。
そこに在れば、何故か手にとって覗かずにはいられない、魅力的な光学製品。


現代ですらそうなのですから、物事を伝えるのが文章や絵しかなかった頃、遠くのものを手にとるように見れることは、さぞかし魅力的なエンターテインメントだったのではないかと思います。


さて、今回ご紹介するのは、上品なケースに納められた双眼鏡=オペラグラス。


深いグリーンのレザーで覆われたケースの蓋を開ければ、内部はゴールドのサテン地。
黒地ベースにブラウンの革で仕上げられたオペラグラスがぴったりと納まっております。
アイカップのところには以下の文字。


LEMAIRE FABT(Tはアンダーラインの上に小さな文字) PARIS


これは、フランス・LEMAIR/ルメールのオペラグラス。
FABT(Tはアンダーラインの上に小さな文字)は、fabrication(製造や加工というフランス語)の略と思われます。


1846年から1847年頃パリでArmand Lemaire/アルマン・ルメールにより創業したルメール商会。
住所は「rue Oberkampf. 22 & 26/オベルカンフ通り22,26番地」。
バスティーユ広場より少し北にいったところ。

双眼鏡、オペラグラスなど光学系の品物を生産し、フランスのみならず他国へ広く輸出していました。創業者アルマン・ルメールが1885年に亡くなった後は、義理の息子が継ぎ、光学系のみらなず自動車の生産まで手掛けていたようです。


さて、「LEMAIRE FABT PARIS」の単語の間をよくみると、小さな蜜蜂がいることに気づきます。そして実は、ケースの金具ボタンにも小さな蜜蜂。これは「Napoleonic bee/ナポレオンの蜜蜂」です。



ナポレオンの紋章で有名なのは鷲ですが、象徴としてよく使われていたのが蜜蜂。
現在、ウイーンの宝物館に展示されているナポレオン2世のベビーベットには、足元には勇ましい鷲がとまり、ベッドの周囲にはこれでもかといわんばかりに沢山の蜜蜂がとまっております。

もともと蜂蜜は貴重な栄養源であり神の食べ物とされていたことから、宗教系の家系の紋章によく使われていました。それに蜜蜂は集団で社会生活をするところから、活発、勤勉であり、社会的結束や秩序のシンボルともいえます。信心深く、秩序ある国家の構築。それがナポレオンの目標のひとつだったのかもしれません。

そして、ルメール商会が創業してすぐの1848年、ナポレオン・ボナパルトの甥であるナポレオン三世がフランス第二共和政の大統領として就任しました。

創業者のアルマン・ルメールは、新指導者ナポレオン三世への尊敬を込めて、自身のブランドのマスコットとして、「ナポレオンの蜜蜂」を選んだのではないでしょうか。




そんな彼の気持ちが込められた、持ち運びやすく、上品なケースに入ったこぶりなオペラ・グラス。これを持ち、うきうきとオペラ座に出かけてゆく貴婦人達の姿が目に浮かぶようです。

19世紀のパリから、今貴方にお届けいたします。




◆France
◆推定製造年代:c.1850-1900年代頃
◆素材:金属、革、ガラス、他
◆サイズ:幅約10.8cm 奥行き約5.2-7.2cm 高さ約4.6cm
◆オペラグラス重量:278g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*レンズにわずかにキズや汚れがございますが、可動はスムーズで十分ご使用いただけると思います。
*ケースには汚れやアタリ、側面のホツレなどがございます。
*ケース側面の外側縫製が一部ほつれており、内側から力を加えれば裏地が見える状態となっています。なお、裏地はホツレてはおりません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

https://toddlowrey.com/?pid=144692161


Todd Lowrey Antiques
by d+A