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Wednesday

黒と銀の道標 /Antique Crook Handle Walking Stick with Starling Silver Collar

英国アンティーク、スターリングシルバーがポイントでついた大曲ステッキ。

















今回ご紹介するステッキは、シャフトがクルーク・ハンドル=大曲りとなっている黒いステッキ。

このタイプのグリップは、持ちやすく、ちょっとした時に手に掛けておきやすい実用性で長年人気の定番となっているフォルムです。


シャフト部分は木製ですが、黒く塗装されており、家具の仕上げなどでもよく見られる「エボナイズド」仕上げとなっています。エボニーとは黒檀のことで、黒檀のように仕上げることをエボナイズドとよびます。
遥か東洋からやってきた黒檀の装飾品に驚嘆した、かつての富裕層やキャビネットメーカーが生み出した仕上げのひとつです。エボナイズド仕上げに黄金色のオルモルを合わせたり、セーブルの陶板をはめ込んだりしたキャビネットは、最高級品として英国やフランスの王侯貴族たちに愛されてきました。

石突部分には金属がかぶせられており、やはり黒く塗られておりますが、先端部分は金属の地肌がみえており、材は真鍮であると思われます。
現在のところは安定してついておりますが、指で押せばわずかにカタつきます。使い方によっては、ゴムのキャップをかぶせていただいたほうがよろしいかもしれません。


また、グリップ先端にはシルバーのカバーが取り付けられています。
デザインはストライプと唐草文様を組み合わせたおしゃれですっきりとしたもの。
先端にはホールマークが確認でき、左端がライオン、次はジャガー、右端はLの文字となっています。
これで1926年にロンドンのアセイオフィスで認可をうけたスターリングシルバーであることがわかります。
また、並びには矩形に囲まれた数字のような、アルファベットのような文字列が確認できますが、詳細を特定することはできませんでした。



このステッキが作られた1920年代と言えば、第一次大戦がおわり、英国もきたるべき近代化の波に洗われていた時代。
ジョージ5世の治世下ではありますが、1924年には労働党内閣ができるなど国際事情、政治状況にも新たな展開が訪れつつありました。
小説「日の名残り」やテレビドラマ「ダウントン・アビー」の時代でもあります。
恐らく、紳士が日常的にステッキを持ち歩いていた最後の時代といえるかもしれません。


そんな時代につくられた、漆黒のシャフトに、ワンポイントで取り付けられたスターリングシルバーをもつステッキ。
クールでお洒落な英国紳士が、クルークハンドルを腕にかけ、時代の波を乗りこなそうと、颯爽とロンドンの街並みを歩く様が目に浮かびます。
(でも、やはり手元からステッキは手放せない・・・)


価値観がせめぎあう時代を生きる紳士の「よすが」となっていたであろう漆黒のステッキ。
今の時代にも、貴方を支える力となってくれるのではないでしょうか。



◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1926年
◆素材:木・スターリングシルバー・真鍮(石突)
◆サイズ:長さ約92cm グリップ幅約12.3cm
◆重量:173g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや擦れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

https://toddlowrey.com/?pid=145194271


Todd Lowrey Antiques
by d+A