英国アンティーク、真鍮製のミニチュア・ランタン。
手で握りしめられるほど、小さなミニチュアランタン。
このようなフォルムのランタンは「Coal Miner Oil Lantern/コール・マイナー・オイルランタン/炭鉱のランタン」とよばれます。
もしくは「Davy lamp/デービー灯」。
文字どおり炭鉱で使用されていたランタンで、1815年に英国の化学者・発明家であるハンフリー・デービーが発明したもの。
ランプの火を鉄製の細かい網で覆う作りとなっており、メタンや可燃性ガスによる爆発の危険性を減らし、炭鉱の中で使うために開発されました。
実際には、それにより、ますます危険な場所に人が入るようになったり、わずかな傷みや故障で機能が損なわれるために事故も多かったといいます。
もともとのデービー灯は上部全体がメッシュ状の網で覆われていたものでしたが、時代が下がってくると下部がガラスになってきたようです。
英国のアンティークフェアやマーケットにいくと、しばしば見かけるこのデービー灯。
英国では沢山の炭鉱がありましたので、かなり多くのデービー灯が使われていたのではないでしょうか。
今回ご紹介するのはそのミニチュア版。
小さいながらもずしりと重く、無垢の真鍮の質感が伝わってまいります。
透明部分は樹脂と思われ、残念ながら灯はつきません・・・。
そして、上部に刻印されている3本の羽は、プリンス・オブ・ウェールズのマーク。
どこかウェールズの炭鉱地のお土産物だったのではないでしょうか。
ウェールズからは良質の石炭が多く産出されており、ブラックゴールドと呼ばれるほどに高値で取引され、ウェールズに経済的な恩恵をもたらしていました。
1980年代で操業はほぼ停止してしまいますが、最盛期には炭鉱は600以上あったといいます。
英国の経済を、命をかけて支えた炭鉱夫たち。
どんな思いでどんな暮らしをしていたのか、想いを馳せずにはいられません。
歴史の狭間に灯るわずかな光のような、英国アンティークの小さな小さなひとしなです。
参考の小話:BBC A HISTORY OF THE WORLD 「A Small Davy LAMP」英語版
http://www.bbc.co.uk/ahistoryoftheworld/objects/lLTjS4h4RNyMWrLXSYW0oA
◆England
◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃
◆素材:真鍮・樹脂
◆サイズ:直径約2.3cm 高さ約7cm(フック含まず)
◆重量:172g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*灯はつきません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A