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Wednesday

アナログな筆記具でなければならない理由 /Antique Vctorian Cast Iron Pen Stand

英国アンティーク・気品あふれるヴィクトリア時代のペンスタンド。














ヴィクトリア時代、そしてその後のエドワーディアンの初めころまでは、このようなペンスタンドが多く作られた時代でありました。

万年筆が製品化されたのは大体19世紀後半、一般に普及しだしたのは20世紀初めですので、ヴィクトリア時代はまだまだつけペンの時代。

様々なペン先のペンを傷つけずに並べておくことは、大切なことだったのです。

そしてそれが美しくディスプレイされている、ということは、こだわりをもつ紳士にとっては必要不可欠だったことでしょう。
ペン用のスタンドも、様々なデザインに凝ったり、素材がシルバーだったり、インク壺がセットされたりしたものを見ることが出来ます。



今回ご紹介するのはキャストアイアンでできた1886年のペンスタンド。

「1886年」という製造年は、底面にある番号から判定しています。

英国で製造された工業製品は、色々なことが読み取れるマークや番号を持っていることがあります。

代表的なものはシルバーのホールマーク。
ただ、シルバーでなくても、(ある程度)真面目な国民性のせいか、当時定められたマークをいちいちちゃんとつけている品物もあります。

たとえばダイヤモンドコード。
1842年から1883年までは、ある範囲の工業製品につけられていたもので、ちゃんと読めればいつ、だれが作った製品なのかがわかります。これが1884年からはシンプルにレジストレーション(レジスタード)・ナンバーとなります。

例えば1884年のRD Numberは「RDNO1」から「RDNO19755」まで。
1900年のRD Numberは「RDNO351202」から「RDNO368153」まで。
「D」及び「O」は上寄せで小さな文字となります。
そして、1886年のRD Numberは40480から645190まで。

今回のペンスタンドにつけられている番号は「RDNO44197」ですので、1886年に登録された番号であることがわかります。


さて、ペンスタンドの意匠をよく見てみましょう。

台座の周囲には中心に花、そしてそこから延びるパルメットのような葉のモチーフ、そして端部にはまたフラワーモチーフ。
立ち上がりのアームにはここにも花モチーフが施されており、流れるようなデザインは上部のペン受けと絶妙にリンクしています。
台座中心部分にも大きめのフラワーモチーフと葉があしらわれており、透けたデザインによって軽やかさを演出しています。
ペン受け部分も単なる凸部ではなく、鳥の頭を思わせるような細かな細工が施されており、手間をかけた職人のこだわりが伝わってくるようです。

最上部には大きめのものが、その他の部分には6か所の受けがあり、美しく筆記具を収納・ディスプレイすることができます。

アイアンでできた本体はずっしりと重く、安定感は抜群。
ちょっと手があたったくらいではびくともしない信頼感に満ちています。

いまや仕事にPCは欠かせませんが、まだまだアナログな筆記具を使って行いたい、いえ、行わなければならない仕事も多いはず。

細く削り上げた鉛筆。
絶妙に手の力を反映するつけペン。
実は使い勝手の広い面相筆。
並べて嬉しい色鉛筆、などなど・・・。

アナログな筆記具には、それでなくてはならない理由が仕事の数だけあるような気がいたします。


古く、気品あふれるヴィクトリアンのペンスタンドで、是非貴方のお仕事のお力添えをさせてください。



◆England
◆推定製造年代:c.1886年
◆素材:鉄
◆サイズ:幅約13.7cm 奥行き約13cm 高さ約12.6cm
◆重量:659g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*一番上部分を除き、他の部分に太いペンは差し込むことができません。一般的な鉛筆でしたら可能です。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

https://toddlowrey.com/?pid=145193964


Todd Lowrey Antiques
by d+A