Search This Blog

Tuesday

英国軍の印をもつ比例規 /Antique Proportional Dividers by W.&.D. LTD with Box

英国アンティーク、真鍮と金属でできた箱入の比例コンパス。
















スリムでシックなブルーブラックの小箱。
蓋を開ければ、鋭利な姿と古びた金色の質感が印象的な、メカニカルな姿が現れます。
これは、「Proportional Dividers」=「比例コンパス」。



比例コンパスとは、二本の脚をとめるねじの位置によって、脚の両端の開きが一定の割合で変わるコンパスのこと。
製図などで、原図の各部分の間の割合を変えずに、拡大または縮小するのに用いる機器で、比例両脚規や比例規ともよばれます。

このようなフォルムの比例コンパスはかなり昔から存在しており、古くは古代ローマにおいてX型になる比例コンパスが使われていたそうです。
現在においても、ほぼ似た形のアルミ製等のものが一般に販売されています。



今回ご紹介する比例コンパスは、英国1900年代頃の真鍮製の一品。
針先など一部は銀色をした他の金属が使われており、厳密にはツートーンではありますが、それがまたアクセントとなってよりクールな印象をもっております。
「W.&.D. LTD」の刻印がみられ、詳細の特定はできませんでしたが、メーカー名と思われます。



そして、もう一つの特徴、矢印のマーク。

これは「ブロードアロー/Broad Arrow」とよばれるマークです。
もともとはヨーロッパにおいて紋章としてつかわれていた「pheon/小槍」などが元といわれており、
17世紀末頃から英国の官有物にマークとしてつけられるようになりました。
主として軍用でしたが、他の用途にも使われることがあったようです。
植民地時代のアメリカやオーストラリアにおいても使われており、軍や官庁などのサーベイマーカーとしての使用がみられます。



そんな背景をもつブロードアロー。
英国において、機器や備品関係などでこのブロードアローがついているものであれば、まずは英国軍のものであった可能性が高いといえるでしょう。


今回のお品物は、さらによくみれば、「MARTIN/マーティン」と手書きで削ったような細い線がみられます。
恐らくは使っていた持ち主の名前なのではないでしょうか。



恐らくは軍関係の職場に勤めていたマーティン。
この比例コンパスを使って縮尺図を描いていたのかもしれません。
二つの大戦をくぐりぬけてきたこの美しい機器は、どんな風景を見てきたのでしょうか。



歴史を刻んだ、機能美の塊のような姿を是非ご堪能ください。


◆England
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆素材:真鍮、金属、他
◆コンパスサイズ:全長約23.5cm
◆コンパス重量:約135g
◆在庫数:1点のみ(専用の箱付)


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*専用の箱には傷みがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*コンパスの先端は鋭利です。ご使用においてはご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

https://toddlowrey.com/?pid=144827393


Todd Lowrey Antiques
by d+A