英国アンティーク、スターリングシルバーがポイントでついた大曲ステッキ。
今回ご紹介するステッキは、シャフトがクルーク・ハンドル=大曲りとなっているステッキ。
このタイプのグリップは、持ちやすく、ちょっとした時に手に掛けておきやすい実用性で長年人気の定番となっているフォルムです。
一見すると節のある竹のようにみえるシャフト。
でもよくみれば、グリップの曲がっている部分の節は半分までしかありません。
そう、これは「竹のように節を作った」ステッキなのです。
ステッキに使われる材は様々な種類がありますが、東西を問わず、竹はとても優秀な材。
強く軽く、1本づつ異なる独特の節のある表情は、多くの人を魅了してきました。
ただ、ヨーロッパにおいて竹は自生しておりません。
東方からやってきた竹をステッキに仕立てて持つことは、多くの紳士の憧れだった事は、想像に難くありません。
ならば、竹のようにみせてしまえ・・・という発想が生まれるのも納得がいきます。
元の材は木かとも思いましたが、石突部分の先端ゴムを外した断面をみると、木目ではなく細かい穴のようなものがみえ、全体が161gととても軽いことからも木というよりは蔓草や籐の一種のように思えます。
材名は断定できませんが、あえて竹の様な節を削り出し、端正な大曲のステッキに仕立て上げております。
グリップのカラーは唐草文様の彫刻が施されたスターリングシルバー。
とても見づらいですが、ホールマークは1933年、バーミンガムでしょう。
メーカーズマークは「S&Co」。1900年代から製品を残しているバーミンガムのシルバースミス、Sydney & Coのものと思われます。
体重をかければ全体にややしなりますが、しっかりとした印象です。
石突部分にはゴム製のキャップがかぶせられており、滑り止めとなっております。
このステッキが作られた1933年は、英国は現エリザベス女王の祖父、ジョージ5世の治世。
第一次大戦、1929年の世界恐慌など英国の経済はダメージを受け続け、もはや大英帝国として多くの植民地を抱えることが困難となってきた時代。
ドイツではヒトラーが政権を握り、きなくさい情勢が否応もなく忍び寄ってくる時代。
そんな時代だからこそ、英国紳士にはステッキの支えが必要だったのかもしれません。
90年近くを経て、こんどは貴方を支えるために。
英国の古い古い工業都市バーミンガムから、今貴方にお届いたします。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年代:c.1933年
◆素材:蔓草もしくは籐の一種・スターリングシルバー・真鍮
◆サイズ:長さ約84cm グリップ幅約11.2cm
◆重量:161g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、塗装のムラや剥がれ、アタリや擦れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A