ドイツ・アンティーク、小さな巻き尺。
英国のアンティークフェアで手に入れた、小さな巻き尺。
金属製の本体に樹脂製と思われるラベルがついており、以下の文字がみられます。
de Gruyter & Co G.m.b.h
KOHLEN-GROSSHANDLUNG
Luisenstr.27
TELEFON 53412
さて、内容をみていきましょう。
「G.m.b.h」とは「ゲーエムベーハー」と読み、ドイツ語においての有限会社のこと。
「Gesellschaft mit beschrankter Haftung 」の略であり、ドイツおよびオーストリアにおいて1906年からある制度です。
よって「de Gruyter & Co G.m.b.h」は「de Gruyter有限会社」ということになります。
そして「KOHLEN」はドイツ語で炭、もしくはカーボンのことであり、「GROSSHANDLUNG」は卸売りのこと。
「Luisenstr.27」とは現在でもミュンヘンにある住所のこと。
「de Gruyter & Co G.m.b.h」は「de Gruyter有限会社」ということになります。
実はドイツには「Walter de Gruyter(通称 de Gruyter)」という18世紀創業の老舗出版社があるのですが、その本拠地はベルリン。
「Gruyter/グレイター」というのはドイツ語で一般的な苗字であることから、この巻き尺の会社とは関係ないのでは無いかと思われます。
おそらくは、ミュンヘンにあったカーボン紙などを扱う卸売会社「de Gruyter有限会社」が、商品の一部として、もしくはノベルティとして製作した巻き尺なのではないでしょうか。
テープを引き出してみると、片側はセンチ、反対側はインチ表示となっており、150センチ及び59インチまでの目盛りがついています。
ちなみに、メートル法は1799年12月にフランスで公式に導入されたのが皮切りとなり、19世紀にほとんどのヨーロッパの国で採用されました。
ドイツでは法的に採用されたのは1872年。なお英国では採用が1965年であり、しかも現時点ですら部分的となっています。
なお、電話番号ですが、ドイツは現在でも電話番号の桁数がバラバラ。
公共性の高いものほど短いものが割り当てられる傾向にありますが、一律ではないためこれによる年代の推定はできませんでした。
センチに切り替わったとはいえ、まだまだセンチとインチが両方使われ、「G.m.b.h」が設立され、電話が普及していた時代・・・。
以上のことから、おそらくは製造年代は1930年代頃と推測いたしました。
小さいながらもストーリーを秘めた、小さな巻き尺。
ドイツらしいやや固い感じのデザインもどこか郷愁を誘います。
古いミシンや工具などと並べておけば、演出効果は抜群。
ドイツ職人の大きくも器用な手が見えてくるような、小さなアンティークアイテムです。
◆Germany
◆推定製造年代:c.1930年代頃
◆素材:金属・布・他
◆サイズ:直径約4.1cm 本体高さ約1.2cm(+ボタン)
◆重量:23g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*テープにはホツレがみられます。
*ボタンを押すと巻きとりますが、最後のほうはゆっくりゆっくりとなります。何度かに割けて押しつつ納めるようにしてください。
*古いものですので、丁重にお取り扱いください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A