英国アンティーク、ヴィクトリア女王戴冠60周年記念カップ。
華やかなデザインが目を惹く、ヴィクトリア女王戴冠60周年記念カップ。
ごくこぶりなカップですが、きれいな色彩と立体的な金彩がとりわけ美しいヴィクトリア時代の逸品をご紹介いたしましょう。
1837年に戴冠したヴィクトリア女王。日の沈まない帝国となった大英帝国が繁栄を極めたヴィクトリア時代を築いた女王の、戴冠60周年=ダイヤモンドジュビリーはさぞ盛大に祝われたことは想像に難くありません。多くの記念品が作られましたが、今回ご紹介するカップは少しだけ着眼点が異なるのがポイント。
トップには象の絵、その下には「EMPRESS OF INDIA」=「インド皇帝」の文字。向かって左側にはユニオンジャック、右側には英国領インド帝国の国旗が掲げられています。ちなみに現在のインド国旗(オレンジ、白、グリーンの横縞で中央には「ダルマ/法」を意味するアショーカ・チャクラを配置)は1947年に正式に採用されたものです。英国の象徴である薔薇、そしてスコットランドのアザミと、アイルランドのシャムロックが左右を彩ります。
中央にはヴィクトリア女王が1837年6月20日に戴冠してから、60年を祝う内容の文章となっており、これは同時にインド皇帝となって60周年であることとなっています。一番上に象を配したことからも、このデザインは英国内はもちろんの事、英国領インド帝国の関係者に向けての品物だったのではないでしょうか。
底面には以下の文字が見られます。
MADE IN ENGLAND
W.L.
RdNo. 290284
「W.L.」とは「William Lowe」のこと。1875年にWilliam Lowe/ウィリアム・ロウにより、ストークオントレントのLongton/ロングトンで創業した窯元。ロウは1898年には亡くなりますが、ビジネスは彼の名前で続けられ、1931年頃まで続いていたようです。また、「RdNo.」はレジストレーション(デザイン)ナンバーの事で、この番号は1897年に登録されたものとなっています。
かつての帝国とその女帝。
その残り香を確かに感じる、120年以上前の小さなカップは、英国アンティークの粋を感じさせるのに十分な存在感を持っています。
貴重なコレクションのひとしなとして、お手元に置いてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1897年
◆素材:陶器
◆サイズ:本体底直径(持ち手含まず)約6.3cm 高さ約7.3cm
◆重量:121g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、金彩の剥がれや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*欠けやヒビはみあたりません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A