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Friday

黒い箱から手に入れる灯 / Victorian Leather Bound Vesta "LIGHT" Case

 英国アンティーク、ヴィスタケース。


















ヴェスタとは、マッチの一種のこと。ローマ神話の「かまどの女神」の名をもち、日本語訳では「ろうマッチ」となります。


現在日本で一般に使われているマッチは分離型の「安全マッチ」で、1855年にスウェーデンで開発されたもの。赤燐を主体とした薬品が塗布された面でこすることにより発火し、そこ以外では発火しません。ただ、一方で「どこにでも強くこすれば発火するマッチ」もあり、こちらのほうが歴史が古く、より安全な材料に改良しながらも作り続けられています。それが、「ヴェスタ/ろうマッチ」です。



古く英国で煙草や葉巻をつけるために使われていたのは、このタイプ。

そのため、そのマッチをいれておく意匠を凝らしたケースが多く制作され、ほとんどがマッチをするためのぎざぎざした箇所を備えていました。ヴィクトリア時代前半から使われはじめられ、様々な形が作られました。


今回ご紹介するのは、そのヴィスタケース。英国のアンティークフェアで渋いお爺様のストールで買い付けました。製造年代は古く、ヴィクトリア時代後半と推測いたします。


小さめながら重めの直方体。蓋には「LIGHT」の金箔押しが施されております。さて、どこから開けるのだろう・・・と眺めまわせば、側面には真鍮製の小さな円形があります。ただ、ほぼフラットな納まりなので、一見ボタンの様には見えません。それでもそこをぎゅっとおせば、「ぽん」と勢いよく蓋が開きます。


開いた先にはまずはマッチを擦るための凹凸面。それを指で開けば、2部屋にわかれたマッチ収納スペースが現れる・・・という仕組み。


閉める時はそのまま蓋を閉めれば、パチン、と小気味よい音がしてきちんと閉まります。


開閉する様子を動画にアップしましたので、よろしければご覧ください。




ろうマッチは現代でも一般的に販売しておりますので、お試しになってみるのもよろしいかもしれません。ごく小さな物でしたらいれることもできますので、秘密の収納とするのも素敵です。


ヴィクトリア時代から使われ続けてきた、シックでダンディなヴィスタケース。

貴方のお手元で愛でて頂けることを願っています。




◆England

◆推定製造年代:c.1880-1890年代頃

◆素材:金属、レザー

◆サイズ:幅約4.2cm 奥行き約2cm 高さ約4.5cm

◆サイズ(内寸):2部屋あるうちの1部屋の大きさ約1.5×1.5cm 深さ約3.5cm

◆重量:53g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、表面材の傷み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*開閉はきちんと動作します。閉める時はパチン、と音を立てて閉まります。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A