英国ヴィンテージ、スプリング付ディバイダー。
英国の古い精密器具のご紹介です。
製図用コンパスのような形状をした、大型の Spring Divider(スプリング付ディバイダ―)。
英国の Moore and Wright 社製のもので、同社は若き革新的なエンジニアであった フランク・ムーア/Frank Moore によって、1906年、英国のシェフィールドで設立され、さまざまなキャリパー、ドライバー、パンチなどのエンジニアツールを100年以上にわたって製造、供給しています。
この種のディバイダ―と呼ばれる器具は、英米においてはキャリパー/Caliper(日本語訳:ノギス)のカテゴリーに大別されます。キャリパーは、対象物を外側から挟んだり、内側に当てるなどして、厚さや径などを測る測定器具ですが、バーニアキャリパー/Vernier Caliper、ダイヤルキャリパー/Dial Caliper、デジタルキャリパー/Digital Caliper、あるいは マイクロメーター/Micrometer Caliper/Spinning Caliper などとその種類は数多く、それぞれの特徴ごとに幅広い表現となっています。
ただし、英語でキャリパー/Caliper と呼ばれるものの中には、外パス/Outside Caliper、内パス/Inside Caliper、片パス/Hermaphrodite Caliper、さらにディバイダ―/Divider Caliper など、日本の「ノギス」の範疇に含まれないものもあります。(パスとはコンパスの「パス」のことです。ノギスは測定器具ですが、パスやディバイダーはあくまで補助的な役割の器具なので、定規やノギスと一緒に使用することで、その機能が活かされます。
さて、今回の スプリング付ディバイダ―/Spring Divider は、多目的に外径や内径の測定補助としても使えそうですが、外パスや内パスそれぞれが専用器具として存在しているので、ディバイダ―のより有効な使いみちは、2本の脚を開閉させて、図面上あるいは地図上にある長さや距離を写しとり、他の図面や地図上で再現するときなどに用いるか、レザークラフトなどの場面で、レザー生地の縁に沿って縫い穴のガイドラインを引くなどのケガキ工具としても適しています。
2本の脚の上部にあるリング状のものは、ボウスプリング/Bow Spring あるいは スプリングボウ/Spring Bow と呼ばれ、そのバネの反作用による開こうとする力が、2本の脚の開閉作業範囲内で常に均一な張力を保証します。
さらに、中央に取り付けられた調整ネジが開閉幅の微動調整を可能とし、スプリングがないものよりも精密な測定を実現します。
調整ネジ/Adjusting Screw は、寸切りボルト/Threaded Rod 上でローレットナット/Knurled Quick-Action Release Nut を回転させて調整するのですが、隣接する自在に動くワッシャー/Solid Nut Washer が、ローレットナットの補助として重要な役目を担っており、ローレットナットからワッシャーを分離させると、ローレットナットの先端部分が開いてフリーな状態となり、ローレットナットを回転させることなく2本の脚の瞬時な開閉を可能とします。
産業革命以来、英国工業の中心地として国の経済を支えてきたシェフィールドで、1世紀以上の歴史をもつ Moore and Wright の伝統的な精密器具。
英国ヴィンテージの実用的なひと品として、貴方のツールコレクションの一部にいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1940~1960年代頃
◆素材:合金鋼
◆サイズ:全長約18.5㎝ 本体厚み約1.8cm
◆測定最大幅:約14cm
◆重量:84g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、金属部の経年変化、若干の歪みや錆などがみられますが、機能に影響はありません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A