フランスアンティーク、カードホルダー。
今回はデスクトップで映えるフランスのカードホルダーのご紹介です。
バンブー/Bamboo を模したミニチュアサイズの三脚型イーゼル、その上に固定された3枚の真鍮プレートは、インドのマンダラやイスラミックを彷彿とさせるカーブでカットされています。それらには鮮やかな金メッキが施され、さらに5色のエナメルによる差し色で彩られた独特な意匠のオーナメントが、ひときわ華やかで個性的な印象を創り出しています。
これはまさしく西洋人から見た東洋が影響しており、その志向は主に、18世紀から19世紀の西ヨーロッパにおこった、異文明の物事・風俗に対して抱かれた憧れや好奇心などが反映された文学や芸術・美術上の風潮であり、それは後に、オリエンタリズム/Orientalism(東方趣味、東洋主義、異国趣味)という言葉で説明されています。
オリエンタリズムは、衣服、家具、絵画、そしてジュエリーなどのファッションに影響を与え、18世紀から19世紀にかけて流行し続けました。
その代表例の「シノワズリ/Chinoiserie」は、中国からの陶磁器や漆器などから刺激を受けたヨーロッパ人によって創造されたスタイルとして大流行。ロココ様式とシノワズリが融合し、家具や建築、芸術品に至るまで、シノワズリの影響が広がりました。英国家具史を語る上で避けては通れない、18世紀の家具デザイナー、トーマス・チッペンデールも多大な影響を受けたひとりです。
またヴィクトリア朝時代には、竹/Bamboo を使用し装飾された家具が重用され、竹が手に入らなくなると竹を模倣したデザインの家具が流行しました。
今回のカードホルダーは、ポストカードを挿すこともできますが、やはりバランス的には名刺/Busines Card やショップカードなどがより適しているでしょう。
現代の名刺の類いは、17世紀のヨーロッパで主に貴族が利用していた訪問カード/Visiting Card が起源です。それはポーカーカード程度の大きさで、エッチングやエンボス、ゴールドの装飾などが施された豪華なカードもありました。その後、ビジネスのためのトレードカード/Trade Card が発明され、19世紀までに多くの人々が使用し始め、現代では無くてはならない名刺へと進化しました。
このように、当時のヨーロッパの人々が、東洋にある未知で神秘的な文明、文化に魅了され、そこからイメージし、創造したであろう多くの作品のひとつが、このカードホルダーであったら、とても運命的な出会いであるといえます。
美術作品のような美しいカードもあったであろう19世紀フランスで、デスクトップを飾ったエキゾチックなカードホルダー。
出会いを彩るカードを仕舞う妙なる一品を、是非お手元でお役立てください。
◆France
◆推定製造年:c.1880~1900年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:幅約8.3cm 全長約14.8cm
◆サイズ:(立てた状態)高さ約14.0㎝ 奥行き約4.8cm
◆重量:105g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、若干の歪み、金属部の経年変化などがみられますが、十分実用に耐えるコンディションです。
*画像で挿しているのは名刺大のショップカードです。大きさのご参考になさってください。
*安定して自立します。折りたたみは出来ません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A