フランスアンティーク、19世紀の古書。
しっとりしたフルカーフバインディングの古い本。
カーフは灰色がかったモスグリーンで、箔押しが施され、高貴な雰囲気を持っています。
表紙はシンプルですが、背表紙のデザインの美しさ、そして表紙エッジ部分に施された緻密な箔押しや、見返しと小口に施されたマーブル調の意匠が凝っていて、さぞ高級品であったことを伺わせます。
タイトルは以下の通り。
"Souvenirs De La Marquise De Crequy 1710-1802"
邦訳はみつけることができませんでしたが、「Marquise」は「侯爵夫人」、「Souvenirs」は「想い出」の意味がありますので、「クレキー侯爵夫人の想い出」もしくは「クレキー侯爵夫人回想録」というような意味かと思います。
「Marquise de Crequy/クレキー侯爵夫人」は実在しており、1704もしくは1714にフランスの北西部のマイエンヌに生まれ、1803年に亡くなっています。
ちなみに、本作 "Souvenirs De La Marquise De Crequy 1710-1802" の作者はブルターニュ出身の「Cousin de Courchamps」とされていますが、クレキー侯爵夫人自身の手によるもの、という説もあるようです。
1834-1835年に全七巻で発刊され、ルイ14世、ルイ15世、ルイ16世、そしてナポレオンまで、主として法廷のゴシップで構成された本作は、どこまでが真実か虚構か不明ですが、かなり人気を博した一方、酷評もされました。
ちなみに全七巻のうち、この本は第四巻となります。
1835年といえば、フランスはルイ・フィリップ王(オルレアン朝)の治世。
その前は復古ブルボン朝の治世、そして1842年にはまた第二共和政へと移行する複雑な世情の中、過去のフランス宮廷を舞台にした回想録は、さぞ当時の人々の好奇心を満たすのに十分だったのではないでしょうか。
そんな背景をもつ1冊。さすがに180年以上経っているせいか、内部の頁には汚れがみられます。ただ、カーフの表紙は歳月を経て深い色合いに変わり、傷や綻びさえもひとつの景色となって、古書としての味わいを深めております。
本を愛する方へ。
貴方の本棚のマスコットとして、19世紀フランスの古書は如何でしょう。
当時の人々が胸躍らせて繰った頁を閉じ込めつつ、存在を愛でるのも一興かと思います。
◆France
◆推定製造年代:c.1834年
◆素材:革(カーフ/子牛)、紙
◆サイズ:約13.7×21cm 厚み約2.1cm
◆重量:461g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や傷み、書き込み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A