英国アンティーク、折りたたみ式定規。
英国のアンティークマーケットで手に入れた、天然木に組み込まれた真鍮のメカニズムが映える、折りたたみ定規をご紹介します。
コンパクトに折りたたまれた状態では、全長6インチ(およそ15cm強)、ぱたぱたと全て拡げると、ちょうど24インチなので、およそ60㎝となります。
特筆すべきは、その製作精度と品質で、ボックスウッド/Boxwood に合わせて真鍮製の蝶番やエンドキャップが組み合わされているのですが、それらはどこまでも繊細で、指の腹で触ってみても天然木と金属パーツのコンビネーションとは思えぬほど、寸分の狂いやズレもなくフラットに仕上がっており、異なる動きを見せる2種類の蝶番は、何度稼働させてもその動きに変化はなく、敢えてゆったり動く様は信頼性の証しといえます。
蝶番の表面に2ヶ所、木部のエッジに1ヶ所、ピンが立っているのですが、たたんだ時にそれらのピンが穴にはまって、ズレを防止させるなどの心憎い配慮もされています。
単に機能がそのまま形となったとは思えぬほど、卓越したアイデアとデザイン、当時の英国のクラフトマンシップには感服いたします。
定規のオモテ面には「WARRAND_ BEST BOXWOOD」と記されています。(D_は、Dが小さい文字で下にアンダーラインが引いてあります)
「WARRAND_」は「WARRANTED」、そして「WARRANT」とは「保証」の意味ですので、「正確性を保証する」という意味かと思います。
そして文字通り、木部の材は最高の「ボックスウッド/Boxwood」 が用いられています。ボックスウッドとは、ツゲの仲間で、緻密な杢目と安定性から、伸縮しにくく折れにくい材料として、古くからチェスの駒や定規類によく使われています。
インチ目盛りは定規の両面に表示されており、オモテ面は1/8インチ、ウラ面は1/16毎に細かい目盛りまで刻まれており、未だ輝きを失わない中央の真鍮蝶番にも同様の目盛りが刻まれています。
寸法の目盛りや数字以外に、J.RABONE & SONS BIRMINGHAM ENGLAND No1379 の文字が刻まれています。
RABONE とは、イングランドの老舗ツール・メーカー。
歴史は古く、1784年に定規などのツールの製造会社をバーミンガムで設立しました。以来、定規の他、巻き尺や水平器、温度計などを製造し、他社へも製品を供給していました。19世紀には多くのパテントを取得、イングランドでも屈指のメーカーとなっていきます。このころの屋号は「John Rabone & Sons」。
1943年に法人化しますが、1963年に Rabone社はシェフィールドの James Chesterman and Co と合併し、その後の表記は「Rabone Chesterman」となります。よって、この定規は合併以前のお品物で、19世紀後半のものと思われます。
長い年月を経て使い込まれ、細かい傷や多少の汚れなどがみられますが、反りもなく、まだまだ現役としてご使用いただけるとても良いお品物です。
あらゆる面で現代では成しえない、1世紀以上も前の英国の伝統ツール。
是非お手元で、その品質をお確かめください。
◆England
◆推定製造年代:c.1890~1900年代頃
◆素材:真鍮、ボックスウッド
◆サイズ:(たたんだ状態)幅約3.9cm 長さ約16.2㎝
◆サイズ:(拡げた状態)幅約1.95~3.2cm 長さ約61.0㎝
◆重量:86g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、金属部の経年変化などがみられますが、とても良い状態です。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A