英国アンティーク、小型でスリムな折りたたみ式定規。
当店の定番のひとつ、木製定規。
基本はボックスウッドで金具は真鍮のものが多いのですが、沢山の種類があり、いくら見ても飽きないもののひとつです(主観です)。
さて、今回ご紹介するのは定番の折りたたみ定規ですが、細身のフォルムがどことなくお洒落なひとしな。寸法の目盛りや数字以外に、TRADE MARK HOCKLEY ABBEY No1157の文字が刻まれています。
アイコンとして描かれた3つの三角形は、1770年にバーミンガムに建てられた ホックリー修道院/HOCKLEY ABBEY の「スリー・トライアングル」を表し、Rabone社(J.Rabone & Sons)が商標として使っってきたものです。
RABONE とは、イングランドの老舗ツール・メーカー。
歴史は古く、1784年に Michael Rabone が定規などのツールの製造会社をバーミンガムで設立したのが始まりとされています。以来、定規の他、巻き尺や水平器、温度計などを製造し、他社へも製品を供給していました。
19世紀には多くのパテントを取得、イングランドでも屈指のメーカーとなっていきます。このころの屋号は「John Rabone & Sons」。
1943年に法人化しますが、1963年に Rabone社はシェフィールドの James Chesterman and Co と合併し、その後の表記は「Rabone Chesterman」となります。
その後1990年にアメリカのツール・定規メーカー「Stanley/スタンレー」に買収されますが、、一部の事業はまだ続いているとの情報もあり明確な現状はわかりませんでした。
さて、今回ご紹介するの定規をみてみましょう。
折りたたまれた状態では、全長6インチ(およそ15cm強)。幅は約2cmなので、スリムでコンパクト。ぱたぱたと全て拡げると、24インチ(約61㎝)の長さまで測ることができます。
製作精度と品質は格別です。天然木の定規に合わせて真鍮製の蝶番やエンドキャップが組み合わされており、それらはどこまでも繊細で、指の腹で触ってみても天然木と金属パーツのコンビネーションとは思えぬほど、寸分の狂いやズレもなくフラットに仕上がっており、異なる動きを見せる2種類の蝶番は、何度稼働させてもその動きに変化はなく、敢えてゆったり動く様は信頼性の証しといえます。
さらに、折りたたまれた状態で、ひねりやずれなどの力が加わっても蝶番に負担がかからぬよう、裏面と側面の合計3ヶ所のピンで噛み合わせるなど、とても心憎い配慮が施されています。
たたんだときにごくわずかに隙間が残りますが、それでも歳月を経てきた木製品としては驚きの精度と言えると思います。
定規の材には前述のボックスウッド/Boxwood が用いられています。ツゲの仲間で、緻密な杢目と安定性から、伸縮しにくく折れにくい材料として、古くからチェスの駒や定規類によく使われています。定規の両面にインチの目盛りが表示されており、基本は1/8インチ、1から3インチまでのみ1/16毎に細かい目盛りまで刻まれています。
長い年月を経て使い込まれ、細かい傷や多少の汚れなどがみられますが、まだまだ現役としてご使用いただけるとても良いお品物だと思います。
あらゆる面で現代では成しえない卓越したアイデアとデザイン、当時の英国のクラフトマンシップには感服するばかり。
是非お手元で、1世紀以上も前の英国の伝統ツールをお役立てください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:真鍮、ボックスウッド
◆サイズ:(たたんだ状態)幅約2cm 長さ(真鍮部分含む)約15.9㎝ 厚さ約1.1cm
◆サイズ:(拡げた状態)幅約1cm 長さ約24inch(60.96㎝) 厚さ約0.5cm+金物
◆重量:38g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、僅かな反り、金属部の経年変化などがみられますが、動作は正常でとても良い状態です。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A