英国ヴィンテージ、ウェッジウッド・ジャスパーウェアのシルバーリング。
「ジャスパーウェア/Jasper ware」、ご存じの方は多いと思います。
概略ではありますが、ご説明させていただきます。
ジャスパーウェアとは、イングランドのジョサイア・ウェッジウッド/Josiah Wedgwood(1730-1795)が開発した陶磁器のこと。言わずと知れた英国の窯元、ウェッジウッドの創始者であるジョサイアは、スタッフォードシャー、ストーク=オン=トレントで代々作陶に携わってきた陶器職人の子供として生まれました。
各工房で修業を積み、1759年独立し、ウェッジウッドを設立。1763年には硬質陶器クリームウェアを完成させ、業績と名声があがります。
1766年、国王ジョージ3世の妻シャーロット王妃に気に入られ、「王室御用達の陶工=Potter to Her Majesty」に認められ、「クィーンズウェア」と命名することを許されます。
その後、子供の頃に天然痘により不自由になった片足が悪化し切断するという苦難に見舞われつつも、1774年、磁器に近いストーンウェア(炻器)を下地にした「ジャスパーウェア」を完成させます。古代ギリシャ、古代ローマ美術の形状や装飾をモティーフとしたジャスパーウェアは一世を風靡し、ヨーロッパ中を席巻し、ウェッジウッドに巨大な富をもたらしました。
話はそれますが、「進化論」で有名なチャールズ・ダーウィン(1809-1882)はジョサイアの孫にあたります。彼の妻エマもまたジョサイアの孫、つまりいとこであったので、ダーウィンが研究に没頭できたのはジョサイアの遺産のおかげだった、といわれています。
今回ご紹介するのは、そのジャスパーウェアのシルバーリング。
ウェッジウッドの製品は食器がメインでありますが、ジャスパーウェアはその緻密さと芸術性を証明するかのように、アクセサリーも作られてきています。ジャスパーウェアには様々な色がありますが、基本は色地にオフホワイトでモチーフが浮き彫りにされているのが特徴です。色はウェッジウッド・ブルーとよばれる水色が有名で数も多く作られています。
今回ご紹介するのはブラックベース。このタイプでリング仕立てのジャスパーウェアはなかなか珍しいのではないかと思います。モチーフは小さな子の背中に羽のようなものがみえることから、おそらく古代ローマ神話の女神ヴィーナスとキューピッドなのではないかと思います。
ジャスパーウェアの背面には「WEDGEWOOD MADE IN ENGLAND」の文字が彫られており、シルバーのホールマークはロンドン、1975年。メーカーズマークは「Josiah Wedgwood/ジョサイア・ウェッジウッド」の「J W」となっております。
控えめな装飾と、モノトーンの色合いはシックで、女性のみならず男性にもおすすめできるリングだといえるでしょう。
歴史を動かすほどの発明であったジャスパーウェア。たとえ小さな作品であっても、その美しさは私たちの心を捉えます。
英国の老舗窯元が作り上げた伝統の作品を是非お手元でお愉しみください。
◆England
◆推定製造年代:c.1975年
◆素材:スターリングシルバー、ジャスパーウェア
◆サイズ:13号
◆重量:4g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A