Search This Blog

Tuesday

日々の外出に携えて / Antique Horn Crook Handle Walking Stick

 英国アンティーク、角のグリップを持つステッキ。


















17世紀、男性が剣を持たなくなった代わりに持ちはじめたといわれるステッキ。


当初は上流階級の権威の象徴であったステッキでしたが、やがて紳士の「きちんとした身なり」のシンボル的アイテムとなっていきます。ハットにステッキ、そして手袋。


これらがどんな品物であるかが、その人となりを表現する重要な情報であり、いっぱしの紳士であればこだわるのは当然であったことでしょう。


今回ご紹介するのは、そんな時代に使われていた英国のステッキ。


特徴的なグリップは色合いや質感からして水牛の角と思われます。飴色がかった琥珀のような色合い、緩やかで有機的な曲線、しっとりとした手触りは何にもまして存在感を感じさせます。


シャフトは木製で、ダークな色合いを持ち、よく見れば細かな杢目を見ることが出来ます。塗装は部分的に傷みがみられますが、時代を経てきた景色としてお愉しみただける範囲かと思います。硬くがっしりとしており、よくよくみればわずかに反りがみられますが、力をかけてもしなりは少なく、しっかりと受け止めてくれます。

印象としてはやや重めで、オーク材よりも杢目が緻密で重い印象です。オーク材の比重が大体0.72-0.77(水の重さを1とした場合)くらいといわれておりますので、それよりも重く、英国アンティークのステッキによく使われている材といえば、ヒッコリー(0.82)ボックスウッド(0.74-1.14)スネークウッド(1.22)あたりでしょうか。

ただ、ボックスウッドにしては杢目がありすぎますし、スネークウッドの特徴ある杢目でもありません。可能性としてはヒッコリーなのかもしれない、と推測いたします。

ヒッコリーは、衝撃吸収が大きく、ドラムスティックやゴルフクラブなどに使われる曲げに強い木ですので、ステッキとしてもよく使われてきた木です。


グリップとシャフトの継ぎ目は金属製。シンプルな銀色の金属で、すっきり、きりりと異素材を纏めています。


また、通常、英国の古いステッキは石突部分に真鍮等で出来た金属カバーがついておりますが、多くのアンティークステッキは場合はすり減ったり取れてしまった状態となっています。これは金属カバー部分は簡易な釘で留めてあり「すり減ったら替える」前提で作られているため、それほどの耐久性を求めていなかったためと考えられます。


今回ご紹介するステッキも、買い付け時には石突部分には何もついておりませんでした。

当店の方で、現行品のステッキ用ゴムキャップを嵌めましたので、このままご使用いただけます。もちろんご不要の場合は、すぐに外すことも可能です。

作られた年代は古く、19世紀後半ヴィクトリア時代と推測いたします。



シンプルな木製シャフトにメタルのカラーをもつステッキ。

有機的なフォルムをもつグリップは小粋で、豪華すぎずにセンスを感じさせる佇まいです。



英国紳士が日々の外出に携えていたであろう、英国アンティークの佳品。

貴方のお手元で更なる歳月を刻んでみてはいかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃

◆素材:(おそらく)水牛の角、ヒッコリー、他(ゴムキャップ)

◆サイズ:長さ約86.5cm グリップ奥行き約11cm

◆重量:293g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、塗装の剥げや変色、反り等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A