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Friday

実直な英国紳士のステッキ / Antique Walking Stick with Sterling Silver Cap

 英国アンティーク、大曲のステッキ。


















今回ご紹介するステッキは、シャフトがクルーク・ハンドル=大曲りとなっているステッキ。

このタイプのグリップは、持ちやすく、ちょっとした時に手に掛けておきやすい実用性で長年人気の定番となっているフォルムです。



シャフトは木製で、ダークな塗装が施されておりますが、持ち手部分は塗装が剥がれており、杢目を見ることが出来ます。

塗装の剥がれはグリップ部分を中心にシャフト部分に所々みられますが、時代を経てきた景色としてお愉しみただける範囲かと思います。

硬くがっしりとしており、よくよくみればごくわずかに反りがみられますが、力をかけてもしなりは少なく、しっかりと受け止めてくれます。

印象としてはやや重め。材の種類は断言はできませんが、オークもしくはヒッコリーあたりかと推測いたします。




次に、グリップ部分を見ていきましょう。


クルーク・ハンドル=大曲りとなっているグリップの先端にはキャップが取り付けられています。

先上端にはホールマークが確認でき、バーミンガムの錨、ライオンパサント、デイトレターはシールドにAとなっており、1925年にバーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることがわかります。

メーカーズマークは菱形の中に「J・H」で、これは「J Howell & Co Ltd」のものと思われます。

「J Howell & Co Ltd」は1900年代の初めころから1925年頃にかけて、ロンドン、オールドストリートに本拠を構え、パラソルやステッキ等を手掛けていたシルバースミスです。

バーミンガムのマークを持つ品物がアンティーク市場で散見されますので、生産拠点がバーミンガムだったのかもしれません。



また、通常、英国の古いステッキは石突部分に真鍮等で出来た金属カバーがついておりますが、多くのアンティークステッキは場合はすり減ったり取れてしまった状態となっています。それは金属カバー部分は簡易な釘で留めてあり「すり減ったら替える」前提で作られているため、それほどの耐久性を求めていなかったためと考えられます。


今回ご紹介するステッキの金属カバーも、買い付け時にはかなりすり減った状態となっておりました。当店の方で、現行品のステッキ用ゴムキャップを嵌めました。このままご使用いただけますし、ご不要の場合は、すぐに外すことも可能です。




そっけないほどにシンプルなクルークハンドルのステッキ。

ワンポイントのシルバーキャップも装飾性は少なく、他と区別するためだけにつけたのではないか、と思わせるほどのさりげなさです。でもそれがかえって、持ち主の控えめな誠実さを表しているような気がいたします。



バーミンガムで生まれ、おそらくロンドンで使われていたであろうクルークハンドルのステッキ。

もうすぐ100歳を迎える実直な英国紳士を、ぜひ貴方のお手元にお迎えください。




◆England

◆Birminghum 

◆J Howell & Co Ltd

◆推定製造年代:c.1925年

◆素材:木、スターリングシルバー、他(ゴムキャップ)

◆サイズ:全長約86cm グリップ幅約11.2cm

◆重量:258g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、塗装の剥げや変色、材の傷みなどがみられます。

*シルバーキャップにはダメージがみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A