英国アンティーク、ケース付小型拡大鏡。
名刺よりも小さな濃ブラウンのケース。
蓋を開けてみると、ベルベット張りのコンパートメントにきっちり納まっている金属のパーツたち。
携帯型顕微鏡(ポケットマイクロスコープ)のような、ちょっと珍しい拡大鏡セットのご紹介です。
直径およそ1.6㎝の金属パイプを、側面から半分くり抜いたフォルムは、19世紀頃の小型顕微鏡のようにも見え、レンズの倍率も一般的なルーペよりも高く、10倍を超える拡大倍率であることから pocket microscope/ポケットマイクロスコープ に分類されることもあります。
通常の使い方は、レンズのみを付けた状態で、レンズとは反対のエンドを対象物に押し当てるようにして覗くのですが、その際にくり抜かれた側から光を取り入れると、とても良く見えます。さらに、スクリューによってレンズの焦点を調整することもできます。
本体を直接指で支えて使用できますが、付属のハンドルをはめると、使い勝手が向上し、より安定した状態で覗くことが可能となります。
そして、特筆すべきは2枚のスペアパーツ。
レンズとは反対のエンドにねじ込んで取り外しできるのですが、透明ガラスの片面には、それぞれ2種類の目盛りがプリントされています。
ひとつは、1/10㎜の目盛りが1㎝の幅で刻まれ、もう一方は、レンズいっぱいに、1/100インチの目盛りが刻まれています。
これらは、対象物や標本を覗きながらサイズを把握する用途で使用すると思われますが、以前ご紹介した、Linen Tester / Linen Prover のように、リネン織物の糸の密度や状態などを検査、検定するための拡大鏡のように使われていたかもしれません。
本体に刻まれた、王冠のマークと「G.I.A (もしくはC.I.A)」の文字は、詳細は不明ですが、製造メーカー、もしくは何らかの団体の頭文字を表しているのではないかと思われます。
非常に珍しいセットであり、もちろん私も始めて見ますし、販売していた英国のディーラーも「HAVEN'T SEEN ONE THE SAME ! /同じものは見たことが無い!」との説明でした。一般的に販売されたものではなく、何かの記念品の可能性もあるかと思います。
精巧に作られたケースにきちんと納められた小さな光学機器パーツ。
100年を超えても、その性能は衰えることはありません。
実用を兼ねた英国アンティークの稀有な逸品をぜひお手元でご鑑賞ください。
◆England
◆推定製造年:c.1900年代頃
◆素材:ガラス・金属・真鍮・他
◆ケースサイズ:幅約6.4cm 奥行約4.5cm 高さ約3.0㎝
◆本体円筒サイズ:直径約1.8cm 高さ約2.7㎝
◆レンズ部分直径:約1.0cm
◆総重量:54g ケースのみ29g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、塗装の剥がれなどがみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、良い状態です。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A