英国アンティーク、蓋付コディントンタイプミニチュア顕微鏡。
とても小さく、かつ珍しいレンズのご紹介です。
タイプとしては、当店で何度かご紹介しているコディントンタイプ。コディントンは大きなものからミニチュアサイズまでいろいろございますが、今回は超ミニチュアサイズのご紹介となります。しかし、そこはコディントン。レンズの厚さと倍率の高さなどの特徴は大きなものに比べても遜色はございません。
1枚ものの分厚いレンズは、両面が凸状になっており、外からはわかりませんが、その厚みの半分あたりとなる赤道部分に深い溝が彫られています。
この深い溝を設けることでレンズを通る光が絞りこまれ、球面収差を出来るだけ抑える・・・というのが、コディントン拡大鏡の特徴です。通常の拡大鏡は5倍くらいがせいぜいといわれていますが、コディントン拡大鏡は10倍から20倍の倍率を持つことが可能となります。
もともとは、1812年に英国の化学者、William Hyde Wollaston/ウィリアム・ハイド・ウォラストン が、それまでの拡大鏡の改善を目指して、
半球状の2枚のレンズを組み合わせたのが始まりといわれています。その後、科学者の Sir David Brewster/デイヴィッド・ブリュースター が、その2枚のレンズの隙間にある屈折率の透明なものを挟み込むと、より精度があがることを発見。
そして、1枚の厚いガラスの塊から、その形にレンズを削り出すことをはじめます。1829年、 Henry Coddington/ヘンリー・コディントン がその発明の所有権を買収。
そして機能をさらに進化させたことにより、このタイプの拡大鏡は「Coddington Magnifying Glass/コディントン拡大鏡」と呼ばれるようになります。
そんな歴史をもつコディントン拡大鏡。
実は現代は他にも色々なタイプの拡大鏡があり、例えば宝石商が使うルーペとして、凸レンズと凹レンズを計3枚張り合わせた「Triplet/トリプレット」と呼ばれるものがあります。
「収差(ボケやゆがみ)」を補正するための工夫として作られたもので、1枚のレンズを削り出したコディントンもこれに近いものといえます。ただ、トリプレットは張り合わせですので、屋内はともかく屋外のフィールドワーク等水がかかる心配がある場所では、コディントンが適しているとされています。
今回のコディントン拡大鏡は、直径わずか1.5cm弱の超ミニチュアサイズ。拡大鏡というよりは顕微鏡というべきかもしれません。
レンズを護るべく取り付けられた円筒形の金属、そして両端についたミニマムな蓋。ボディには丸環が取り付けられ、ネックレスチャームとすることも可能です。かつては懐中時計のフォブとして楽しんだ紳士もいらっしゃるかもしれません。
小さいからこそ、いつも身に着けていられる。
散歩の途中、ふと気になった植物を調べてみる。
足元にいた昆虫を眺めてみる。
・・・私たちの周囲は、いかに小さな驚きと発見に満ちていることか。
この持ち主はそんな豊かな心で、日々を暮らしていたのかもしれません。
これからは是非貴方のお手元に。英国アンティークの心意気を凝縮したようなレアアイテムを手に入れてください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆素材:金属、ガラス
◆サイズ:本体は直径約1.4cm、高さ約1.9cmの円筒形
◆重量:11g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*レンズに目立つワレや欠けはございません。
*ごく近くないとピントが合いませんが、対象物が明るくないと良く見えません。
*蓋には特に留め具はなく、摩擦でとまっています。現在はそれなりに安定して閉まっている状態です。
*緩くなってきた場合は蓋の変形が考えられますので、調整をお願いいたします。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A