英国アンティーク、コインパース(小銭入れ)。
英国中部の街、ホテルの宴会場で行われていたアンティークフェア。
小さいながらも選りすぐりのディーラーが軒を連ねる場所で手に入れたコインパースをご紹介いたしましょう。
貫禄たっぷりな英国紳士が目を光らせるストールは、小さな品物ばかりでしたが、クオリティの高い物で溢れていました。
テーブルに置かれたフラットなガラスケースに入った、このコインパースを私が眺めているのに気づいた紳士は、早速手に取り、渡しながら早口で説明してくれました。
「Victorian Coin Purse. Sterling Silver Mount. Very Nice!!」
シックな色合いに鈍く輝くブラウンレザー、それに対応するかのように光るスターリングシルバーの飾りマウントが凛々しく美しく、どうしても手に入れたくなってしまいました。
悪戯っぽい顔をしながら中を開け、「ここにシークレットスペースがある・・」と、内部に仕込まれた隠し部屋を見せてくれた時には、もう買うことに決めておりました。
このような形のコインパースはヴィクトリア時代から1950年代くらいの間によく見られます。何部屋もの小部屋に分かれ、内部によりしっかりと仕舞っておくことが出来る隠し部屋を持つタイプで、便利に使える為、長い間人気があった事にも頷けます。
様々なクオリティのコインパースがありますが、今回のお品物は、革はクロコダイル調の型押し(だと思います)、周囲のマウントはスターリングシルバー。
蓋のホールマークはバーミンガムの錨、デイトレターは隅を切った矩形に飾り大文字の「W」、そしてライオンパサント。これは1896年にバーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーの証です。
また本体のデイトレターはわかりづらいですがおそらく「U」であり、1894年のもの。蓋と比べ認可の年が2年ほど離れていますが、各パーツごとに進めていると、そんなこともあったのかもしれません。
メーカーズマークは「CPB」。これは「Charles Penny Brown」のこと。ヴィクトリア時代から1900年代初頭にかけてバーミンガムのシルバースミスで、詳細は不明ですが、今回ご紹介しているような革製品へのシルバーマウントを多く手掛けていたようです。
開閉時には、金具の丸い出っ張り部分を思い切り押しつつ、少しだけ下に下げることで蓋部分の留め具が外れます。やや開け閉めにコツが必要ですので、頻繁に使う小銭入れとして・・・というよりは、あまり開閉しない何かの保管用としてのご使用くらいがよろしいかと思います。
動画をアップしましたのでよろしければご覧ください。
120年を超えて人の手元に在ったコインパース。
こだわった意匠と材で作り上げられた小さな逸品は、また誰かの大切なものを仕舞っておく役目を果たすべく、その時を待ちわびているようです。
貴方のお手元に是非、いかがでしょうか。
◆England
◆Birmingham
◆推定製造年代:c.1894-1896年
◆素材:革、スターリングシルバー、他
◆サイズ(外寸):約14.1×6cm 厚み約2cm
◆サイズ(内寸):幅約13.5cm 深さ約4.9cm(蓋に少し余裕があるので、深さはもう少しだけ大きなものが入ります)
◆重量:77g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、傷みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*日本の現行の1万円札は四つ折りにしないと入りません。
*一般的な名刺(9.1×5.5cm)は少しはみ出しますが、蓋の内側に余裕があるため、少ない枚数なら閉まります。
*閉じ金具は実働しますが、やや開け閉めにコツが必要です。
*頻繁に使う小銭入れとして・・・というよりは、あまり開閉しない何かの保管用としてのご使用くらいがよろしいかと思います。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A