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フランスの鳥がとまる英国の小家具 / Antique Mid Victorian Foot Stool

 英国アンティーク、フットスツール。
















フットスツールとは、腰かけた時に脚を乗せる小さな台の事。

18世紀後半にオスマン帝国から伝わったとされ、オスマン/Ottomanの言葉からオットマンとも呼ばれます。古代エジプトなどでは、椅子とともに足置きが描かれていることも多く、歴史の古い家具といえます。19世紀になると様々な形のフットスツールがつくられるようになりました。


今回ご紹介するのは、英国で買い付けたフットスツール。作られた時代は古く、ミッドヴィクトリアン(1850-1870年代)と推測いたします。


まず、構造材はウォールナット。ヨーロッパに古くから自生したウォールナット(胡桃の木)は、加工がしやすく、割れや狂いも少ないことからまず家具に利用されました。

磨けば光沢を発し塗料ののりもよく、落ち着いた色合いと重厚な木目が評価され、高級家具の材としてなくてはならないものとなってゆき、英国家具史においては17世紀後半から18世紀にかけて「ウォールナットの時代」といわれるほど重用されてきました。


また、可愛らしい形の小さな足はカブリオレレッグとよばれるもの。日本では猫足と呼ばれるS字を描いた足の事で、「カブリオレ」とは「跳ねる足」を意味し、アンティーク家具では定番のフォルムとなっています。


このフットスツールの小さなカブリオレレッグは、先端部分に小さなスクロールが施された凝ったものです。無垢の材を彫り抜いて作り出された造形美は、小さいながらも頼もしく、そして優雅。

座の部分は丸いのですが、構造体は下から見ると丸みを帯びた矩形となっており、座面からわずかに見えるウォールナットがひらりと揺蕩う様は、ふっくらとしたクッション部分をふんわり軽々と支えているようです。


また、買い付けた時の仕上げ生地はかなり傷んでおりましたので、手持ちのファブリックに張替を行いました。仕上げたファブリックは、フランスのリネン。10年ほど前に手に入れた物で、しっかりと厚い生地にシックなブラックで枝葉と鳥がプリントされています。

中材はもともと馬毛のみでしたが、ややへたっておりましたので綿を足してしっかりと仕上げています。ぎゅっと押したときに「しゃりっ」という感触があるのは、馬毛の印。

古くクオリティの高いアンティークの椅子には馬毛が詰められいることが多くあります。馬毛は馬のタテガミと尻尾の毛を加工してつくられた詰め物で、通気性・吸湿性・放湿性・弾力、 全てに優れた高級詰め物。現在でも馬毛のマットレスは販売されていますが、その価格は驚くほどです。


ミッドヴィクトリアンの英国で設えられた胡桃の木の小家具。次の世代に繋ぐために、丁寧に張替をして、貴方のもとにお届けいたします。


寛ぎつつ長い夜をお楽しみいただくためのアンティークを、是非手に入れてみてください。




◆England

◆推定製造年代(本体):c.1850-1870年代頃

◆素材:ウォールナット、布、馬毛、他

◆サイズ:直径30.2cm 高さ約15.5cm

◆重量:919g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられますが、しっかりとしています。

*表地はデッドストックの麻生地を当店手配にて張り替えた物です。生地独特のネップや変色等がみられます。

*座っている時に脚を乗せるためのものです。全体重をかける前提では作られておりません。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A