英国アンティーク、ケミストスタンド。
試験管、ケミストボトル(薬瓶)、ビーカー等々。機能的で冷たい印象がある実験器具ですが、並べるとなんだかワクワクしてしまうのは何故でしょうか。
それはそこに向かって真摯になにかを見つけようとした人々の姿が、視えてくるような気がするからかもしれません。最新のラボラトリーも魅力的ですが、ここはアンティーク屋として、英国の古いケミストスタンドをご紹介させていただきます。
幅30cm強、ころあいの大きさをもつケミストスタンド。材は古艶を放つマホガニーで出来ており、左右には持ち運び用の取っ手が設えられています。奥は試験管を立てることのできるスタンド、手前には薬瓶を立てるためのスタンドがあります。薬瓶上の棚板は横方向にワレがございますが、左右の側板でとまっておりますので、問題なくご使用いただけます。下部は浅めの抽斗となっており、細かな物をしっかりしまっておくことが可能。
そして、抽斗前板には以下の文字がみられます。
R.RAUSCHKE Ltd.
53 A & B PARK LANE, Leeds
RAUSCHKE/ラウシュケ社について詳細は不明ですが、その名前の感じからしてドイツ由来の家系のような気がします。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、イングランド、ヨークシャー州のリーズで医療機器などを販売していました。また「PARK LANE/パークレーン」という道は現存せず、恐らく再開発でなくなってしまったようですが、市の中心部にあったようですので、なかなか繁盛していた会社なのではないかと思われます。
参考:ヨークシャーイブニングポストのサイト 1903年の写真 3 リーズ市内中心部
https://www.yorkshireeveningpost.co.uk/retro/19-photos-take-you-back-to-leeds-in-1903-4644779
参考:サイエンスミュージアムのサイト ラウシュケ社による口腔治療セット
今回のお品物には、3本の蓋つきガラスボトルと3本の試験管がセットされています。特に文字やマークは無く、ガラスボトルの1本の蓋は固まって開けることが出来ず、1本には蓋がありません。R.RAUSCHKEのオリジナルのものでない可能性もございますので、そこはどうかご了承ください。
かつてどんな人がこのケミストスタンドを使ってきたのでしょうか。
実験を繰り返した化学者?それともフルカネリに影響された錬金術師?古い時代の英国では薬局でも薬剤の調合が行われていたので、ひょっとしたら薬剤師かもしれません。
ただ、想像ではありますが、このマホガニーのスタンドからすると、富裕層でお金には困らない、化学好きな紳士が趣味の延長で実験にいそしんでいたような気も致します。
そこに在るだけで存在感を放つ、世紀を跨いできたケミストスタンド。アクセサリーや小物のディスプレイはもちろん、工夫次第でデスクタイディ(デスク上の小物収納)としてもお使いいただけそうです。
そしてもちろん、化学実験をそのまま引き継いていただいても。
イングランド北部の商業都市、白薔薇を家紋とするヨーク家由来の町から来たケミストスタンドを、ぜひ貴方のお手元でご堪能ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1870-1910年代頃
◆素材:マホガニー、ガラス、他
◆本体サイズ:幅約32.2cm 奥行約13.6cm 高さ約18.6cm
◆抽斗内寸:約28×9.5cm 深さ約2.9cm
◆重量:1199g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、材のワレがみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A