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Friday

ジョージアンのロンドン、コーンヒルより / Antique Georgian Five Draw Telescope by Blunt & Son

 英国アンティーク、五段繰り出し式の望遠鏡。














イングランド南部の競馬場で行われていたアンティークフェア。

屋外会場に加え、びっしりと細かいものが並ぶ屋内会場まであり、とても時間内には見きれない充実ぶりでした。そんなフェアで、手に入れた小さな望遠鏡のご紹介です。


まず目を惹くのは、鮮やかな色のレザーと小ぶりな体躯。ややピンクがかった赤色のレザーとシックなシルバー色のコントラストが洒脱な雰囲気をもっています。わずか3.5cmほどの厚みから接眼レンズ部を引き出せば、全長10cm近くまで伸びて小さな望遠鏡となる仕組み。


接眼レンズ部周囲には味わい深い手彫りで以下の文字がみられます。


Blunt & Son  Cornhill London


「Blunt & Son/ブラント・アンド・サン」は英国ジョージアンの時代に、光学機器を中心に様々な計器を作っていた工房のこと。始めたのは「Thomas Blunt/トーマス・ブラント」。彼は1760年、計器製造者の「Edward Nairne/エドワード・ネアーン(1726-1806)」に弟子入りし、後に「ネアーン・アンド・ブラント」という名前で彼のパートナーとなります。

やがて何らかの理由でパートナーシップは解消され、1805年ブラントは息子を事業に加えて「ブラント・アンド・サン」として事業を続けます。トーマス・ブラントは1823 年に亡くなり、事業は末っ子のエドワードに引き継がれましたが、彼も28歳で亡くなり、その後会社はトーマス・ハリス & サンに売却されたようです。


ということで、この「ブラント・アンド・サン」の屋号が使われていたのは1805年から、おそらく1820年代頃までと思われます。


参考:サイエンスミュージアムグループのサイト Blunt and Sonの頁

https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk/people/cp104115/blunt-and-son



また、「Cornhill/コーンヒル」はロンドン中心部、シティに現存する地区、通りの名前。エドワード・ネアーンはコーンヒルの20番地に店を持ち、トーマス・ブラントは隣の22番地に店を持っていたので、パートナーシップが解消されたのちもお互いに助け合っていたのかもしれません。現代では地下鉄「Bank」駅から東に延びる通りであり、かつての王立取引所(ロイヤルエクスチェンジ)の建築を利用した商業施設などが並ぶ賑やかな通りとなっています。


ジョージアンのロンドン、コーンヒルから来た望遠鏡は、200年以上の時を経て、小さな体躯に過ぎた時間を纏わせております。

これからは、貴方の手元から、更なる200年を重ねさせてみてはいかがでしょうか。



◆England

◆Blunt & Son

◆推定製造年代:c.1805-1820年代頃

◆素材:金属、革、ガラス

◆サイズ:直径約4.4cm 長さ約3.5~9.7cm

◆重量:123g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。

*繰り出しはスムーズです。ご使用時は最大に伸ばした後、一番目に近い部分を動かしてピントを合わせてください。

*対物レンズの内側エッジに数か所小さな欠けがみられます。視野に影響はほぼございません。

*多少の傷みはございますが、まだまだ十二分に実用にお役立ていただけるかと思います。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A