英国アンティーク、テーブルベル。
ヨーロッパのアンティークアイテムの定番の一つ、テーブルベル。
機能的にはシンプルで、自ら振って鳴らすもの、もしくは置き型でハンマーを弾いたり摘まみを回したりして鳴らしたりするものに分かれます。
鳴る、という要件さえ満たせばよいので、デザインは様々。
シンプルなもの、人の形をしているもの、街のお土産品のように紋章をかたどったもの・・・。
機能のある嗜好品として贅を尽くしたものがあることも頷けます。
今回ご紹介する英国で手に入れたテーブルベルは、「贅を尽くした」お品物であるといえます。
まず、作られた時代は古く、19世紀後半ヴィクトリアンと推測いたします。
高さ約13cm強とテーブルベルとしては標準の大きさ。ハンドルは木製で、上部はふっくらと膨らみ、下部はきりりと締まったきれいなターニング(挽物細工)です。黒に近い塗装が施されており、部分的に剥げてきているところがよい味わいとなっています。トップには真鍮金物が取り付けられており、全体をバランスよくまとめています。
そして最大の特徴は鐘本体(キャスティング)に浮き彫りされた唐草文様。
くるくるとどこまでも続き絡まる蔦の中に鳥が配されているのがポイント。真鍮でできておりますので、真鍮ならではの緑青が凹み部分に現れてきており、それがまた唯一無二の背景となって唐草文様を引き立てています。
唐草文様とは古代ギリシアに端を発し、メソポタミアやエジプトから各地に伝播した文様と考えられています。
ヨーロッパのみならず世界中、中国や日本でもみられる文様で、特に唐草に鳥(瑞鳥/鳳凰)を配した柄は「瑞鳥唐草(ずいちょうからくさ)」とよばれ、日本では飛鳥時代から慶事にふさわしい文様とされてきました。
唐草文様は東西を繋いで紡がれ続け、特に英国においては、19世紀後半にアーツ&クラフツ運動を提唱したウィリアム・モリス(1834-1896)が、壁紙などの図案に唐草文様を多用したことで有名です。
そんな唐草文様が施されたテーブルベル。
振ればきれいな音色が響きますが、鐘本体(キャスティング)が若干平たい形をしているため、クラッパー(鳴子)を本体に当てるためにしっかりと振る必要があります。
動画をアップいたしましたので、よろしければご確認ください。
デスクトップやカウンターに置けばそれだけで絵になる存在感を持っています。
揺らして鳴らせば、モリスの時代からの音が聞こえてくるような、英国アンティークの逸品。
貴方のお手元で、更なる時を刻ませてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1850-1890年代頃
◆素材:真鍮、木
◆サイズ:直径約8.7cm 高さ約13.2cm
◆重量:237g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。
*ハンドルの木部分、付け根には欠けたような跡があります。一見は目立たず、機能に支障はございません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A