英国ヴィンテージ、ブルックボンド・ピクチャーカードアルバム。
ちょっとした消耗品や食品などを買うとついてくる、ちいさなオマケ。
現代でも様々な仕掛けで沢山のオマケをみることができますが、どうやら昔から人々のこの癖は変わっていないようです。
1900年代くらいから、煙草のパッケージに挿入されていたオマケの「シガレットシルク」。
名刺より少し小さいくらいのシルク生地に、様々なモチーフがプリントされており、シリーズとして集めて愉しむような趣向でした。
その後、シルク生地は紙となり、シガレットカードと呼ばれるようになります。
1950年代にはいると紅茶商もこのカードをオマケにつけるようになり、「ピクチャーカード」もしくは「ティーカード」としてコレクタブルな人気を集めるようになります。
カードにはテーマが決められており、植物、動物、乗り物、世界の偉人等々、ひとつのテーマを全部コンプリートして、所定のアルバムに貼って完成させるのが最終形でした。
英国のアンティークフェアなどでは、シガレットシルクやティーカード等をしばしばみることが出来ますが、コンディションや物量など状況は様々。
あともう少しでコンプリートする、その人にとってのお宝の1枚を探し求めている人も多いのではないでしょうか。
さて今回ご紹介するのは、ブルックボンドのピクチャーカード(ティーカード)。
しかも、イングランド王国の紋章である金色のライオンが勇ましく吠える表紙をもつアルバムに貼られ、コンプリートしたものです。
ブルックボンドは1869年にアーサー・ブルックが24歳の時にマンチェスターに紅茶の小売店「ブルックボンド商社」を開いたのが始まり。
トワイニング(1787創業)に比べれば後発ですが、安定した味わいで人気の紅茶商となりました。
アルバムのテーマは「Flags & Emblems of the World/世界のフラッグとエンブレム」。
例えば冒頭の「UNITED KINGDOM」ではユニオンジャックと王の紋章(ライオンとユニコーン)が描かれたカードが貼られており、詳しい説明も載っております。
全部で50カ国が紹介されており、最後には「JAPAN」として日本の日の丸と十六八重表菊が描かれています。
製作年代としては「GUYANA/ガイアナ(ギアナ)」の項目で「1966年」の説明がありますし、セイロン(独立国としては1948-1972。現在がスリランカの一部)が載っていることからも、1967-1972年頃と思われます。
ちなみに日本の人口は「約1億人」と紹介されており、日本の人口が1億人を超えたのは1967年ですので、ほぼ合っていると思います。
アルバムの頁にはミニ知識のように「コロンブスの頃の船」「インドの、アッサムの茶摘み」「ヴァチカン市国の紋章」などのイラストが差し込まれており、見飽きることがありません。
カードを集めながら世界の国々を知る、なかなか秀逸な企画なのではないでしょうか。
表紙には書き込みがみられ、氏名と住所のように思えます。
持ち主が自分のものとして書き込んだのかもしれません。
絵で見て愉しみ、当時の資料を探すときに役立つティーカードアルバム。
ティータイムのひととき、1970年頃の世界を旅するように眺めてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1967-1972年頃
◆素材:紙
◆サイズ:幅約18.5cm 高さ約12.5cm
◆重量:63g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A