英国アンティーク、金張りのドロップ付ダブルアルバートチェーン。
かつては、時計(懐中時計)を持つことがステータスという時代でした。
「懐中時計を持っていることを示す」ために、懐中時計を落とさないように護るチェーンは見せる位置に着けられるものとなり、さまざまな趣向が凝らされていくようになります。
チェーン自体の装飾性を高めたものや、チャーム(フォブ)やシール(印鑑のようなもの)、ロケットなどをつけることが大層流行しました。
今回ご紹介するのは、英国で手に入れたロールドゴールド(金張り)懐中時計用チェーン、コンパス付きです。中心のTバーから左右に2本の長いチェーンが伸び、中央には短いチェーン(ドロップ)がついています。
英国では、ヴィクトリア女王の配偶者であった、アルバート公(1819-1861)が身に着けていたことから懐中時計用のチェーンを Albert Watch Chain と表現します。そのため、このタイプは「Double Albert Watch Chain with Drop」などとよびます。
今のところドロップには何もついておりません。ひょっとして、懐中時計の鍵をつけていたのかもしれません。
長いチェーンの1本には留め具がついており、ここに懐中時計をつけられるようになっています。長いチェーンのもう1本には、小さなコンパスがついています。
コンパスの材は真鍮。中央が透明になったリバーシブルで、周囲にはツイスト状の飾りがぐるりと回っています。
着用の方法としては、一般的にはTバーをウエストコート(ベスト)のボタンホールに差し込んでとめ、長いチェーンの先端に付けた懐中時計をベストのポケットに入れます。
ドロップにはフォブ等の飾りをつけてわざと見えるように吊り下げておくのが主流でした。
ただ、チェーンの形状はとても多様で、わざと少し上の方にとめて、長いドロップ(チェーン)に飾りをつけペンダントのように愉しむ方もいたようですので、一概には言えないようです。
また、長いチェーンの先には、やはりポケットに仕舞っておきたい何かをつけていた、ということもあったようです。
今回ご紹介するチェーンを使っていた方は、ドロップに鍵をつけてベストの内側に、長めチェーン1本にはもちろん懐中時計をつけてポケットに。
そして長めチェーンもう1本にコンパスをつけて、時にポケットに仕舞い、お洒落さをアピールしたい時には外に出していたのかもしれません。
実際にコンパスを使うにはやはり長めでないと使いづらい、ということもあったのでしょう。
現在ドロップ部分には留め具がないため、お手数ではございますが鍵をつけるときは丸環を開いたり、追加で留め具をつける必要があります。
それでも、歳月を経たロールドゴールドの風合いと、小さな働き者のコンパスをもつアルバートチェーンは唯一無二の雰囲気を纏っています。
貴方の大切な懐中時計のために、特別なチェーンを。
この機会にぜひ手に入れてください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1950年代頃
◆素材:ウォッチチェーン・ロールドゴールド/コンパス・真鍮、ガラス
◆サイズ:画像にてご確認ください。
◆重量:20g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*画像の懐中時計は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A