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Tuesday

1674年9月、Durbridge氏からJohnson氏へ / Antique Early Legal Vellum Document Dated 1674

 英国アンティーク、羊皮紙に綴られた書類。


















格別に古い書類を手に入れました。



「Vellum/ヴェラム」=「羊皮紙」に流麗なハンドライティングで綴られた書類。

日付は 「16th Sept.1674」つまり、1674年9月16日です。



羊皮紙とは文字通り羊の皮から作られた紙で、長持ちし、独特の風合いがあるのが特徴。

破こうとしてもかなりな力が必要なほど丈夫なため、聖書や公文書等、貴重な文書に使用されてきました。


トッドローリィ・アンティークスでは今までに何点か羊皮紙の書類をご紹介してきましたが、それらはヴィクトリアンとエドワーディアンの頃、19世紀後半から20世紀初頭のものでした。




今回の書類の日付はなんと17世紀。



その頃は英国にとってどんな時代だったのでしょうか。イングランド王国とスコットランド王国が一緒になりグレートブリテン王国が成立したのは1707年。

それ以前はスコットランドは別の王国であり、イングランド王国はスチュアート家のチャールズ2世(在位1649-1685)の治世でありました。


付近の大きな出来事といえば1665年のペスト(黒死病)の流行、そして1666年のロンドン大火。

ロンドン大火は、市内の家屋のおよそ85%が焼失したといわれており、それまでは木造だった家屋がすっかり焼け、その後は木造建築の禁止などからなる建築規制がしかれ、石造りのロンドンが出来るきっかけとなった火事でした。

前年から流行っていたペストの菌の多くがこれにより死滅し、感染者低減の一因になったとする説もあります。

1672-1674年には第三次英蘭戦争が起こるなど、混乱と苦難が多い時代でもありました。




そんな時代に作られた1枚の書類。



私が見てきたヴィクトリア時代の書類の羊皮紙は、比較的きれいに整えられており、一見は紙ですが触るとしっとりとして、紙とは違う、とわかるようなものでした。

しかし今回のものはみるからに異なります。


紙は時間が経つとさらさらと脆くなっていくような印象ですが、この羊皮紙はゴワゴワと硬く、紙よりもやはり「皮」としての要素を強く感じます。



内容に関しては、ところどころに分かる単語はあるものの、とてもどんな内容かまでは理解することができませんでした。

唯一、誰から誰に宛てた物、という意味であろう「Durbridge to Johnson」と日付の「16th Sept.1674」は読むことができました。




350年近くを経てきた1枚の書類。

流麗なカーヴを描く文字たちはまるで魔法書のような雰囲気すら漂わせます。


そっと開いて、また閉じて。


羊皮紙の確かな手触りと共に、3世紀半の歴史をご堪能ください。




◆England

◆推定製造年代:c.1674年

◆素材:羊皮紙

◆サイズ:約54×33cm

◆重量:36g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古い古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や破れ、折り跡がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*折りたたんだ状態でお送りいたします。

*画像のペーパーウェイトやその他備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A