英国アンティーク、ミニチュア複合レンズ拡大鏡。
手のひらサイズの珍しい拡大鏡を手に入れました。
一見すると、以前ご紹介しました Coddington Magnifying Glass/コディントン拡大鏡 のように見えますが、これは、2枚の薄いレンズを使用した Compound Lenses Magnifying Glass/複合レンズ拡大鏡 です。
1枚の厚いガラスの塊を削り出し、両エンドを半球状としたガラス円筒の赤道を、深い溝で絞り込むことによって、複合レンズのような効果を得ているコディントン拡大鏡に対し、複合レンズは、2つ以上のレンズを組み合わすことによって、倍率の上昇や対象物の正立像の獲得、そして、単一レンズで起こりうる収差や不具合を軽減することが可能となり、顕微鏡や望遠鏡などで応用されています。
通常の単一レンズの拡大鏡は5倍くらいがせいぜいといわれていますが、真鍮の円筒ボディの側面に、「SPEETOL-GORDON MIMI-LENS ×10. PAT.APPD.FOR」の文字が刻まれていますので、「SPEETOL-GORDON」のこの複合レンズ拡大鏡は、10倍の倍率であることが確認できます。
「SPEETOL-GORDON」については、社名であるのかブランド名であるのか、詳細は不明ですが、英国の「Grace's Guide to British Industrial History」サイト掲載の「Engineering 1945 Jul-Dec: Index: Literature」の頁に以下の項目を見つけることができました。
" Speetol-Gordon ” Small Part Inspection Equipment, Leaflet on, 440
Inspection Equipmentとは検査用具、検査機器の意味ですので、1945年にこの名称で小さめの検査用具が英国において流通していたのは間違いないと思われます。
参考
Grace's Guide to British Industrial Historyサイト(英語版)
Engineering 1945 Jul-Dec: Index: Literature の頁
https://www.gracesguide.co.uk/Engineering_1945_Jul-Dec:_Index:_Literature
手のひらサイズのコンパウンド拡大鏡は、円筒ボディよりもレンズが奥まっていますので、そのまま垂直に立てて置いてもレンズに傷が付く心配もなく、ハンドルは浮いた状態となりますので、直ぐに手に取って使用することが可能な優れもの。
どこに置いても邪魔にならないサイズでありながら、存在感と雰囲気のある複合レンズ拡大鏡。
あなたのコレクションの充実はもちろん、単一レンズのルーペで物足りない方にお薦めの小さな逸品です。
◆England
◆推定製造年:c.1920-50年代頃
◆素材:真鍮・ガラス
◆サイズ:全長約7.5cm 直径約2.5㎝ 高さ約2.35cm
◆重量:46g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に微細な傷やへこみ、汚れ、金属部の経年変化等がみられますが、ガラス面に目立つ傷はありません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A