英国アンティーク、箱入り製図セット。
Elliott Brothers (London)とは、英国のコンピュータの開発において初期の役割を果たした老舗の会社。
その歴史は古く、1817年にWilliam Elliott/ウィリアム・エリオットがロンドン、26 Wilderness Row、Goswell Streetにおいて、製図器具を作り出していた頃から始まります。その後数回の移転を経て、1850年 ロンドン、ストランド56番地に移転。
1853年には創業者のウィリアム・エリオットは死去し、彼の息子たちが「Elliott Brothers」として事業を続けました。製図器具だけでなく、測量機器、鉄道機器、その他電気機器まで事業は拡大。1867年には製品をパリ万国博覧会に出品しています。1917年には会社化し、「Elliott Brothers (London) Ltd」となります。1950年代にはコンピューターを開発。 これは英国海軍本部の対空砲術予測器となることを目的としていたといいます。
様々な機器を開発、製品化していますが、申し訳ないのですが私の理解を超えた機器が多いため、内容は割愛させていただきます。
ご興味のある方は以下からご確認ください。現在は「Elliott Brothers (London) Ltd」そのものの会社は無く、吸収合併を行っていたり、多くの専門的な会社となっていたりするようです。
参考:Grace's Guide to British Industrial History
Elliott Brothersの頁
https://gracesguide.co.uk/Elliott_Brothers
英国の古い製図機器、とくに定規類が好きでよく手に入れるのですが、緻密な線と数字で構成されているものが多くあり、数学は「数学Ⅱ」で止まってる私の理解力ではとても難しいものが多くあります。(おそらく使い方を説明されてもわからないでしょう・・・正弦線とか乗算の対数スケールとかってわかりますか?)
それほどに緻密な計算の上で成り立っていた機器を作っていた会社が、そのままコンピューターを作る、というのはとても納得できるものです。
今回ご紹介するのは、そのElliott Brothersによる定規セット。
美しい古艶をもつマホガニーの外箱に入っており、直定規が2点、三角定規が1点、コンパスが1点セットされています。定規類にElliott Brothers Londonの刻印がありますが、コンパスにはありません。ただ、同社が作っていたコンパスと形状がとても似ているので、おそらくElliott Brothers Londonのものかと思います。
作られた年代は恐らく1850年から1890年頃までの間と推測いたします。外箱の底には「C. Rawlinson. D.120.」の書き込みがみられ、おそらく持ち主の名前なのではないかと思われます。
表示は全てインチで、表裏それぞれに分割率の異なる(多分)スケールの目盛りが振られています。もしインチ表示でのお仕事をさせている方にとっては、とても重宝するもの・・・かもしれません。
そして何よりも、200年以上前から製図機器をつくってきた英国の老舗のものであれば、雰囲気は抜群。「線を引く」ことをお仕事にされている方であれば、守り神の様にお傍に置いておかれるのもよろしいのではないでしょうか。
線を引き、測り、計算することで生まれてきたものは、コンピューターという名前になって、いつの間にか私たちの手が届かない遥かな場所へといってしまいました。
その源である手作業を助けてきたアナログな機器は、懐かしくも崇高な雰囲気すら漂わせています。
貴方のコレクションに加えて頂きたい、英国アンティークの稀有なひとしなを、是非どうぞ。
◆England
◆推定製造年代:c.1850-1890年代頃
◆素材:外箱マホガニー、定規ボックスウッド、コンパス真鍮
◆外箱サイズ:約33.6×13cm 厚み約2.4cm
◆直定規:約31.3×3.8cm 厚み約0.4-0.5cm
◆三角定規:約29.6×10.6cm 厚み約0.5cm
◆コンパス:長さ約13cm
◆総重量:495g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の欠けや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*直定規2点、三角定規1点、コンパス1点に外箱がついたセットです。
*外箱蓋のスライドする部分に一部欠けがありますが、開閉に支障はございません。
*すべてインチ表記です。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A