英国アンティーク、ピラーボックス形の貯金箱。
「Pillar box/ピラーボックス」とは、郵便物を投函する、自立式の屋外ポストボックスのこと。英国が始まりといわれており、基本はキャストアイアンでつくられた赤いものがベースとなっています。円柱や楕円柱、八角形や四角形など様々なバリエーションがあり、英国では歴代のピラーボックスを展示した博物館もあり、世代を超えて愛されている存在です。
今回ご紹介する貯金箱は、そのピラーボックスを模したもの。金属製で投函口は2つ、「POST OFFICE」の文字や集荷時間が記されています。
そして、英国のポスト定番の製造時の君主を表す刻印が記されています。その刻印は「GR V」となっておりますので、「George Rex V」つまりジョージ五世(在位1910-1936年)の時代のポストをモチーフにしていることがわかります。
なお、背面には以下の文字が見られます。
"HAPPYNAK" SERIES
GENUINE BRITISH MANUFACTURE
"HAPPYNAK"シリーズとは、リバプールの1887年創業「Paton, Calvert and Co」社による商品名。同社は1915-1920年頃から金属製のおもちゃを作り始め、このシリーズ名で販売していました。
ピラーボックスは投函口が1つのものが多くみられますが、稀にこのような2つのタイプのものもみることができ、その場合は「ENGLAND」と「OTHERS」だったりしますが、この貯金箱の投函口はどうなっているのでしょうか。
向かって左側の投函口には「POST YOUR PENNYS 」右側には「POST YOUR HALF PENNYS 」のサイン。ハーフペニーは1272~1969年の間に流通していた硬貨です。
1910~1920年頃の硬貨の大きさを調べると、1ペニーは31mm ハーフペニーは25mmとなっております(現在の1ペニー硬貨は約20mm)。
左右の投函口の大きさが少し異なりますが、内部は一緒なので、恐らく深い意味は無いのではないかと思います。
子供が硬貨を入れるときに「ペニーだからこっちから入れよう」「ハーフペニーはこっちから!」などと楽しんでいたのではないでしょうか。
ちなみに、右側がやや大きく、日本の500円硬貨を入れることができます。
英国の子供たちの大切な貯金を受け止めてきた赤い箱。
今度は貴方のデスクトップで、500円玉貯金などいかがでしょうか。
◆England
◆Paton, Calvert and Co
◆推定製造年代:c.1915-1930年代頃
◆素材:金属
◆サイズ:幅約8.3cm 奥行き約6.5cm 高さ約11.8cm
◆重量:87g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆や変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*蓋の開閉は問題ありませんが、蓋をとると本体が楕円からやや円形に近くなります。蓋をする際は調整しつつゆっくりと嵌めてください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A