英国アンティーク、ミミズクのシーリングスタンプ。
英国中部の大きなアンティークセンター。
数棟が立ち並ぶ規模の大きなアンティークセンターは、それぞれが特徴あるアンティークが詰め込まれており、とても1日では見きれない場所です。その中でも入り口近くの小さな1棟はスペシャルで、選りすぐりの品物が集まっており、行くたびに胸が高鳴る特別な空間となっています。
その中のガラスケースから選び出した逸品をご紹介いたします。
高さ僅か5cm強の小さなミミズク。円形台座の上に乗った姿は美しく、体を捩りながら見開いた瞳が、今にも動き出しそうな雰囲気を湛えています。
材は真鍮、もしくは真鍮に近い合金と思いますが、雰囲気としてはオーストリアのヴィエナ・ブロンズに近い仕上がりのような気がします。
ヴィエナ・ブロンズとは19世紀半ば頃から製作されている、ごく小さく、そして精巧なブロンズ細工のこと。モチーフは動物が主体で、自然の様子だったり、擬人化されていたりと表現は豊かで緻密。彫刻家の作った原型からパーツごとに蝋型鋳造したブロンズを接着し、毛並みや顔立ち等の細部を手作業で彫刻しながら仕上げていくもので、フィギュアというよりは小さな彫刻作品といえるものです。
このミミズクも顔の表情や羽の具合などの細かな表現が群を抜いていて、ブロンズ彫刻のような完成度をみることができます。作られた時代は古く、19世紀後半ヴィクトリア時代と思われます。
用途としてはシーリングスタンプでしょう。
ただ、印面にイニシャルモノグラムの刻印はございませんので、刻印の出来る方はオリジナル・シーリングスタンプとしてご使用いただくことも可能です。
ちなみにミミズクは、フクロウ科のうち羽角(ウカク、耳のような形をした羽)がある種の総称。
ただ、コミミズクのように小さくてほとんど判別が出来ないものまであり、形も様々であり、シマフクロウのように羽角があるのにフクロウと呼ばれているものもいて、厳密な区切りは無いようです。
ちなみに、英語ではミミズクを「Horned Owl」としていますが、一般的にはすべてまとめて「OWL」と呼ばれていることが多いようです。
このお品物の種の特定は難しいのですが、堂々たる風格とがっしりした脚の具合から、ワシミミズクなのではないかと推測いたします。
ワシミミズクは現存するフクロウの中で最大の種の1つであり、特にメスは大きく、翼の開張180センチメートル、体重4キログラムに達するものもいるといいます。
沢山の種類がいますが、英国ではかつて大陸から連れてこられたアメリカワシミミズク、もしくはインドワシミミズクが、またヨーロッパワシミミズクがスコットランド北部に棲息しているようです。
ワシミミズクはその大きさと強さから勇気と強さの象徴とされてきました。
大胆不敵に自信をもって行動するように見えることから「断固たる行動の必要性」を表すとされます。
勇気と強さの象徴は、印鑑と同じ意味をもつシーリングスタンプの装飾としてはまたとない物であるような気がいたします。
風格溢れる一羽のミミズクを、守り神の様なマスコットとして貴方のお手元にいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:真鍮(ブロンズ)
◆サイズ:直径約2.3cm 高さ約5.3cm
◆重量:79g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A