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Friday

並べて倒してまた並べて /Antique Double Sixes Domino Set in Wooden Box

 英国アンティーク、木箱入りドミノ牌(ダブルシックス)セット。
















ドミノ。


日本ではゲームの一種、というよりは「ドミノ倒し」としての認識が高いかもしれません。


もちろんそれだけではなく、ルールをもつ立派なゲームであることを、まずご説明いたしましょう。

由来は定かではなく、一説によれば中国の天九牌が起源とされており、それがシルクロードを経由しつつ、いつの間にかドミノという遊びに変化したともいわれています。確かに牌のデザインは酷似していますが、遊び方は異なるため、ヨーロッパ起源とする説もあります。またマルコ・ポーロ(1254-1324)が持ち帰ったという話もありますが、 18世紀中頃イタリアとフランスで使われていたという史料しか確認されておらず、やはり期限は定かではありません。


遊び方はいろいろありますが、基本的なものはドミノを伏せてよく混ぜ、定められた個数ずつ取り、一番大きな目から始めて順に同じ目のドミノを並べていく (6-6に6-1,1-5など) 。だれかが手持ちのドミノを出し切ったら終了・・・というもの。


並べていくときに牌をぴったりくっつけるように並べる為、エッジは平らとなっています。またぶつけるように並べたときに気持ちの良い音がでるよう、牌には硬い素材が使われてきました。基本は背面が「エボニー/黒檀」、表面は「アイボリー/象牙」もしくは「ボーン/骨」。伝統的にモノクロで(最近は色付きもありますが)、お互いを小さい釘を使って留めるのが一般的です。


18世紀中頃以降、19世紀には英国でもよく遊ばれており、例えばチャールズ・ディケンズの「二都物語(1859年発表)」では、酒場の描写で「ドミノをやっていた連中は何か考えながらドミノで塔を作っている」という一文があります。


・・・カッコいいゲームのシーンをご紹介したかったのですが、ディケンズの小説でもこんな描写をみつけてしまいました。


正直申し上げて、確かにドミノはルールのあるゲームなのですが、牌の形状ゆえに塔を作ってみたりする(そしてやはり並べて倒してみたりしたくなる)という行為が昔から行われてきた、ということでしょう。


ちなみに最大の目が「6」のもの、通称「ダブルシックス」が一般的で、この場合の牌の数は28枚となります。


さて、今回ご紹介するセットは、この「ダブルシックス」となります。

最大の目が9・12・15・18(それぞれ1組55枚・91枚・136枚・190枚)などのものも市販されていますが、基本はダブルシックスとなります。



オリジナルの木箱に入っており、28枚のフルセット。木箱のラベルには以下の文字がみられます。


CRITERION SERIES

DOMINOES

28pieces.  DOUBLE SIXES.

 


「CRITERION」とは「standard」と近しい言葉で「基準、標準」の意味があります。つまり「標準のドミノ」的な意味かと思います。


28枚の牌は伝統的な仕上げであり、背面は「エボニー/黒檀」、表面は「ボーン/骨」、お互いを釘で留めたものとなっており、年代は古く、ヴィクトリアンの終わりから20世紀初頭と推測いたします。


多少の傷みはあるものの、ほぼなんとか自立いたしますので、通常のゲームはもちろんドミノ倒しもお愉しみいただけるのではないかと思います。

ただ、背面と表面の重さが違うようですので、立てる際には十分注意深く観察しながら行うことをお勧めいたします。



様々なドミノのゲームをじっくり試してみるのもよし。

ディケンズの酒場の描写よろしく、塔を作ってみるのもよし。


100年を超えてきたアンティークのドミノで、貴方なりのお愉しみをみつけてください。




◆England

◆推定製造年代:c.1890-1910年代頃

◆素材:木、骨(おそらく)

◆箱サイズ:約18×6cm 高さ約6cm

◆牌サイズ:約2.3×4.6cm 厚み約0.6cm

◆総重量:429g

◆在庫数:1セットのみ(木箱及び牌28枚で1セット)



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、材の欠け等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A