古都プラハのアンティークショップで手に入れた可憐なグラスのご紹介です。
ボヘミアングラスは細かい絵付けや見事なカットなど、ゴージャスなものが沢山ありますが、このワイングラスは、取り立ててゴージャスではなく、技術の粋を尽くした・・・という感じでもございません。でもそこがなんとも可愛らしく、一度手にとれば、いつまでもそばに置きたくなるような可憐な魅力をもっています。
ボウルをくるりと回った金彩。控えめに下を向いた花は、アレンジされたスノードロップかカンパニュラでしょうか。それとも、フリチラリア/Fritillaria?ボウルには他に、ぽちぽちとイラストのように花の点描がとび、可愛らしさを増しています。
そして、見逃せないのがステムからベースにかけての色あい。まるで琥珀のようなアンバーがかったオレンジ色は、金彩、そしてエナメル絵付けのターコイズカラーとのコントラストが美しくこのワイングラスを、まれにみる印象的なものにしています。
底はころんと丸く、やや厚めのボヘミアン特有のフォルム。手作りならではの、若干ゆがんだフォルムも、味わい深さをましています。
作られた時代はおそらく世紀の変わり目、1900年代頃と推測いたします。そのころボヘミアはオーストリア=ハンガリー帝国の支配下。その後第一次大戦後はチェコスロバキア、そしてチェコ共和国と、ボヘミアの政治情勢は時々で変わってきましたが、そんな時をくぐりぬけてきたボヘミアングラスはその間、どんな人が使ってきたのでしょうか。
ちなみに、フリチラリアの古いヨーロッパの花言葉は「Persecution/迫害」。
ひょっとして、つらい時期をくぐりぬけてきた人々は、この小さな絵付けにニュアンスを込めて、日々の暮らしの中、まっすぐに立とうと踏ん張ってきたのかもしれません。そして、きれいな可愛らしいもので心癒すひとときを、このグラスで得てきたことでしょう。
これからは、貴方のお手元で。ヨーロッパの深い歴史が放つ芳香と、心癒すひと時を、おたのしみください。
◆Austria-hungary
◆推定製造年代:c.1900年代頃
◆サイズ:直径約6.5 高さ12.5cm
◆重量:108g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古い手作りのグラスのため、若干のゆがみがみられます。
*金彩、エナメル部分はわずかながら変色や剥げなどがございます。
*ベースには製造時からの気泡、筋などがみられます。
*欠け、ひびなどはございません。年代からすれば、とてもよいコンディションです。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
*このお品物は当店の姉妹店「Reminiscence」から移行してきたものです。過去に「Reminiscence」のブログで紹介されておりますので、検索時にご覧になるかもしれませんが、品物はこれ一点であり、当店で在庫しておりますのでご安心ください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A