英国アンティーク、カウンタートップ・ポストボックス。
英国のアンティークフェアで珍しい物を手に入れました。
材は艶めくマホガニーでできており、正面の扉は厚くエッジが面取りされたガラスが嵌めこまれたクオリティの高い物です。ガラス周囲は四隅をポイントとしたインレイ(象嵌細工)でパターンが施されており、上質な印象。天板にはスリットがあり、そこから薄い物をいれると、手前扉裏に仕込まれたボックスで受けるようにできています。
そう、これは小さなポストなのです。
扉上部には鍵穴があり、小さな小さな鍵が付属しています。鍵を差し込み、手前に扉を倒すように開ければ、中の郵便物を回収できる仕組み。
開け閉めを動画としてみましたのでご覧ください。
箱の内部奥には、横方向に1本バーが取り付けられており、郵便物が下に落ちないように工夫されています。そして扉を開けた時だけ見える底面には以下のラベルが貼られています。
THE SHANNON
PATENT 7719
これはイングランドで1883年に設立された「The Shannon Ltd」のもの。マンチェスターに在ったらしく、主としてオフィス用の機能を持つ家具を製造していました。メインはレターファイリングやファイルキャビネット、ブックケース等だったようです。
Wikimedia Commonsに、パブリックドメインとしてのシャノンの広告画像がございましたので、ご参考までにご紹介しておきます。
Shannon Office Furniture, 1902 |
恐らくはある程度規模のある会社、もしくはホテルなどのカウンターに置かれ、郵便物を受付けていたのではないかと思います。
どのくらいたまったのかが一目でわかるので、ある程度たまったら係員が取り出して仕分け、郵便局にもっていく・・・もしくは集配人が来ていたのではないでしょうか。
試しに古いポストカードを入れてみましたので、大きさ感のご参考になさってください。(英国の古いポストカードは、現代日本の官製葉書より2-3mm小さいです)
インレイ部分には少しワレがございますが、その部分は丁寧に修復がされています。背面上隅にもワレをみとめますが、これ以上は広がらないようですので、このままのご紹介とさせていただきます。
もちろんこのままポストボックスとしてお使いいただくのも素敵ですが、全面がガラスですので、個人的なショーケースとしてのご使用もおすすめ。本やアートワークはそのまま入れて、台座を作ってアクセサリーをディスプレイしていただいても素敵です。
英国ヴィクトリアンの終わりからエドワーディアンにかけて作られた、マホガニーの美しい木製品は艶めく古艶と時を経た品格をもち、何物にも代えがたい存在感を持っています。それが珍しいカウンタートップ・ポストボックスであれば、なおのこと。
英国アンティーク小家具の稀有なひとしなを、是非お手元でご堪能ください。
◆England
◆The Shannon Ltd
◆推定製造年代:c.1890-1900年代頃
◆素材:木(主としてマホガニー)、ガラス、布、他
◆サイズ:幅約23.8cm 厚み約14.9cm 高さ約25.5cm
◆ガラス面見えがかり:約14.1×16.7cm
◆内部トレイ:幅約17.4cm 高さは21cmまでのものならば収納可能(厚みにもよります)
◆重量:1488g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、修復跡に材のワレ、変色等がみられます。
*施錠可能な鍵が付属しますが、古いお品物のため頻繁な施錠はおすすめできません。
*鍵は取っ手代わりとしてのご使用をおすすめいたします。
*底面には黒いフェルトが貼られています。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A