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Friday

小さな芸術作品が作り出す魔法 / Antique Cold Painted Vienna Bronze "BABY ELEPHANT"

 オーストリアアンティーク、ヴィエナブロンズの小象。











小さな小さなベイビー・エレファント。大人の爪二つ(いや、一つ?)分ほどのサイズでありながら、驚くほどの緻密さをもつ芸術作品のご紹介です。


当店で何度かご紹介している「Vienna Bronze/ヴィエナブロンズ」。


その歴史は19世紀中頃から始まり、現在に至るまで高級品として高く評価されており、展示や蒐集を目的とした貴族や富裕層に向けて販売されてきました。サイズは、小さな1インチのミニチュアからテーブルランプやセンターピースと同じくらいの大きさまで様々です。モチーフは、漫画や風刺画を題材としたものや、実物そっくりにありのままの姿を詳細に表現したミニチュア化された人物や動物もあれば、エロティシズムを表現したもの、擬人化されたペットや森林動物なども多く、特に猫、カエル、犬の作品はウィーンの名物となっています。


1つのブロンズのフィギュアは、多くの場合「砂の鋳造/sand casting」と呼ばれる方法によってパーツごとに鋳造され、それらを溶接して一体化、毛並みや顔立ち等を彫刻し、髭など細部まで手を加えて、画家に引き渡されます。

その一連のプロセスには、多大な労力と高度に熟練した職人の技術が必要とされ、特にコールドペイントによる着色作業は、重要な要素となる表面仕上げとなり、全てが手作業によって、テクスチャーが与えられ、細部に至るまでシャープに整えられます。

コールドペイントは、当初は鉛ベースの塗料で行われていましたが、健康上のリスクがあるため、20世紀の変わり目には、油性顔料のエナメル塗料が使われています。



今回ご紹介するベイビー・エレファントもそのうちのひとつ。


買い付けたのは英国ですが、販売していたディーラーは「Absolutely incredibly detailed!」興奮気味に語ってくれました。確かによくよくみれば体の凹凸、耳や鼻表現、つぶらな瞳、そして味わい深い色合いと、全くもって信じられないほど凝ったディテールをしております。体の側面に「W」らしきサインがありますが、工房名は不明。製造年代はディーラーより1940年代頃と聞いておりますので、そのままのご紹介とさせていただきます。


余談ですが、撮影をしていると、なんだかある程度大きなものを撮っているような気持ちになり、レンズを外した時に「あ、こんな小さかったんだ」と不思議な気持ちになりました。小さな小さな芸術作品が作り出す魔法なのかもしれません。



象は特に仏教国では神聖な動物であり、アフリカとアジアでは、象は王の乗り物であり王の力を象徴するものでした。生息していないヨーロッパにおいても、繁栄や出世のモチーフとして勲章や紋章のデザインに加えれていることをみることができます。


爪先ほどのベイビー・エレファントには、限りなく素晴らしい未来となる願いが込められているような気がいたします。


ミニチュア好きの方に是非。もちろん象コレクションをされている方にも。


希少な芸術作品を愛される貴方のお手元が、ベイビー・エレファントの居場所となることを願っています。




◆Austria(Wien)

◆推定製造年代:c.1940年代頃

◆素材:ブロンズ

◆サイズ:高さ約1.9cm

◆重量:15g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、塗装の剥げや歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*お子様のおもちゃとしてはお勧めできません。

*平滑面できちんと自立します。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A