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エドワーディアンのジュエリークォーターから / Antique 9ct Gold Mount Compass with Gold Chain

 英国アンティーク、ゴールドのチェーン付ゴールドマウントコンパス。

















僅か2cmほどの小さなコンパス。

前面と背面は面取りがされたガラスで、中には静かに揺れる磁針がおさめられています。コンパス自体は真鍮製ですが、周囲を縁取るのは9カラットのローズゴールド。シンプルな中にも本物の輝きを持つ、エドワーディアンの逸品のご紹介です。


この小さなコンパスは、元々の用途は懐中時計のフォブ(FOB)で、懐中時計のチェーンにつけるためのアクセサリーでした。当店はスターリングシルバーのコンパス・フォブは多く扱ってまいりましたが、ゴールドのものは初めてのご紹介となります。



詳しく見ていきましょう。

コンパスを縁取るマウント(ケース)には右からデイトレター[d]、バーミンガムの錨、[9][・375]、そして最後にメーカーズマーク[T.J.S]の刻印があります。[9][・375]は1975年より以前の9カラットゴールドの印であり、デイトレター[d]はバーミンガムにおいては1903年に認可を受けた印となります。


メーカズマーク[T.J.S]は「Thomas James Skelton」のことと思われます。「Thomas James Skelton」はバーミンガムの「Vyse Street/ビースストリート」で1903-1915年頃まで活動しており、懐中時計のフォブやヴィスタケースなどを製造していたゴールド(シルバー)スミスです。


調べてみればビースストリートはバーミンガム中心部の北西に現存しており、そのあたりは「Jewellery Quarter/ジュエリークォーター」と呼ばれる地域です。


18世紀から19世紀にかけて、バーミンガムは産業革命により繁栄し、さまざまな金属から幅広い製品を製造する大規模な工業都市に発展してきました。その中でもジュエリー・クォーターは特別な場所。名前の通り「ジュエリー」を生業とする工房や会社が軒を連ねる場所となっています。1780年に登録された情報によれば、この地には当時26軒の宝石商があり、その後約300年間、英国においてのジュエリーの中心地として名を馳せてきました。


そのなかでも1900-1920年頃がジュエリー・クォーターの全盛期と考えられており、その後世界恐慌や第二次大戦の空爆などでダメージをうけてしまいます。ただ、現在でもさまざまなアクセサリーを製作する工房をはじめ、宝石や関連道具、材料屋さんなど、宝石関連企業が集積しており、僅か1k㎡あまりの土地に現在でも800社を超える企業、100社の専門小売店、50社の現代デザイナーメーカーが集い、今もなお英国のジュエリーの中心地となっています。そして多くの工房が19世紀の外観を保っているため、それ自体が観光名所となっており、再開発がすすめられているようです。



参考:ジュエリー・クォーター

https://www.birmingham-jewellery-quarter.net/




20世紀初頭、最盛期を迎えていたジュエリー・クオーターの宝石商が作った小さなコンパス。英国で買い付けてきた同じく9カラットゴールドのヴィンテージロングチェーンをセットしてお届けいたします。


長めのチェーンですので、首にかけてコンパスを覗くことも可能。洒落たアンティークアクセサリーとしてお使いいただきつつ、実用にも優れたひとしなです。


300年のジュエリークォーターの歴史へと想いを馳せつつ、幾つ世紀を超えても揺るぎなく輝くゴールドをご堪能ください。




◆England

◆推定製造年代(コンパス):c.1903年

◆素材:ガラス、9ctゴールド、真鍮、他

◆サイズ(コンパス):直径約2.2cm 上部飾り含む高さ約2.6cm

◆サイズ(チェーン):長さ約62cm

◆総重量:7g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*コンパスの面取りガラスエッジにはごくごくわずかにざらつきが見られますが、ほとんど気づかないレベルと思います。

*現時点でコンパスの方位はほぼ合っていますが、電磁気の影響を受けると狂います。

*狂ってしまった場合は強めの磁石で修正してください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A