オランダアンティーク、銀製のミニチュアイーゼル。
英国のマーケットで手に入れたミニチュアイーゼル。
ディーラーによればイーゼル自体はシルバー、そして絵の部分はデルフト焼き。
オランダからの品物である、とのことでした。
オランダといえば青いデルフト焼きが有名です。
16世紀からの歴史をもつ焼き物で、フェルメールの絵画にもその存在をみることが出来ます。(例えば「牛乳を注ぐ女」の巾木部分のタイル)
そんなデルフト焼きで表現されている、小さな小さな絵画。
桟橋に佇む男性の向こうには風にはらんだ帆をもつ小舟、そして風車らしき影が見えます。
タイルの裏側には手書きで以下の文字がみられます。
Hand Painted Holland
他に作者のサインらしきものもございますが、作者名は特定できませんでした。
そして、タイル絵画を掲げている小さなイーゼルも凝った品物です。
タイルの周りには薔薇を模したと思われる細かな彫刻が施されており、イーゼルの脚は開閉可能。パレットに筆入れまでついています。
イーゼルに刻印は2か所。
一か所にはメーカーズマークらしきものが、もう一か所には同じようなメーカーズマークらしきものと剣のようなマークがみられます。
この剣のようなマークは、オランダにおいて.1887-1911年頃にシルバー833に刻印されていたマークです。
メーカーズマークについて色々調べましたが、残念ながらメーカー名は特定することができませんでした。
ただ、この変形した菱形のような外周はオランダのメーカーズマークに非常によく使われておりますので、やはりオランダ製であることは間違いないように思います。
オランダ製ではありますが、タイルの背面にある文字は英語。
このことから、英国から来た観光客向けのお土産物、もしくは英国に向けての輸出品であったことを伺わせます。
イーゼルの高さは約8.1cmですから1/12スケールとすれば97.2cm。
1/12スケールのドールハウスに置いても、違和感のない大きさかと思います。
ドールハウス自体は古代エジプトの墓からも見つかるほど古い歴史を持ち、様々な基準で作られてきました。
1/12スケールがスタンダードとなったのは1924年のメアリー王妃のドールハウスからといわれておりますが、1/12スケールはそれ以前からも存在していました。
他には1/18や1/16などもありますが、一般的には1/12がリアルに作り込める最小サイズといわれています(諸説あります)。
さて、こんな想像は如何でしょうか。
ヴィクトリア後期からエドワーディアンにかけての英国。
緻密に作り込めるドールハウスが趣味の裕福なレディ。
そんなレディが手に入れたのは、オランダから輸入されたというシルバーのドールハウス用イーゼルでした。
オランダならではのデルフト焼きのタイルが絵として置かれていて、小さな小さなパレットまでついています。
そんな小さな逸品をこだわりのドールハウスにセッティングした時、どれほど彼女の胸は高鳴ったことでしょうか・・・。
今度は是非、貴方の手元に。
風車が回る低い土地から、英国を経てやってきた小さな逸品を貴方なりのこだわりで愛でてください。
◆英国買付/Holland
◆推定製造年代:c.1887-1911年頃
◆素材:シルバー、タイル
◆サイズ:幅約4.5cm 高さ約8.1cm 立てたときの奥行き約3.5cm
◆重量:26g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*タイルに欠けはございません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A