英国ヴィンテージ、ベスウィック社による陶器製猫フィギュア。
ベスウィック/ベズィック/Beswickとは、James Wright Beswick と彼の息子によりイングランド、ストークオントレントに1892年に開かれた窯元。
1969年からはロイヤルドルトンの傘下となっています。
食器類も生産していますが、有名なのは動物を中心としたフィギュア。
柔らかく光を反射する陶肌と、フィギュアのいきいきとした表情は多くのコレクターの心をつかんで離しません。
今回ご紹介するのは、そのベスウィックによる猫の陶器製フィギュア。
底面には以下の文字がみられます。
BESWICK
MADE IN ENGLAND
CC4
RATCATCHER BILL
この「RATCATCHER BILL」は1990年代に10体シリーズで発売された「Cat's Chorus/キャッツ・コーラス」シリーズの中の一体。
ヴォーカルの美猫を中心に、様々な楽器を奏でる猫たちが可愛らしいシリーズです。
また、「RATCATCHER/ラットキャッチャー」とは文字通り「ネズミを捕る人」のこと。
ヴィクトリアンの英国ではペスト対策として「ラットキャッチャー」は立派な職業であったようです。
また、世界的に有名なラットキャッチャーといえば、ドイツの伝承「ハーメルンの笛吹き男」でしょうか。
ご存じかと思いますが概略を記しておきます。
ある日、ハーメルンの町に笛を持ち、派手な衣装の男が現れ、町を荒らし回る鼠を退治してみせると持ちかけた。ただし、報酬が必要だと。
ハーメルンの人々はそれを了承したところ、男は笛を吹きだした。すると不思議なことに町中の鼠が集まってきた。
男は笛を吹きつつ鼠を引き連れて川に歩いてゆき、鼠を残らず溺死させた。
しかし、約束したにもかかわらず、ハーメルンの人々は男に報酬を払わなかった。
怒った男が後日町に現れ、再び笛を吹くと今度は子供たちが集まりだした。130人の子供たちは男の後に続いて町の外に出てゆき二度と戻ってこなかったという・・・。
この伝承には様々な解釈がされており、犯罪者の仕業であるとか、移民を象徴したお話である、等々諸説乱立し定説は決まっておりません。
それでも、笛をふいて鼠を、ひいては子供も集めてどこかに連れ去ってしまうというイメージは強烈。ロマンティックさと怪しさで、数百年も語り継がれてきたことも納得です。
今回ご紹介するベスウィックの「ラットキャッチャー・ビル」も、「笛をふいて鼠を集める猫」ですので、どこかにハーメルンの笛吹き男へのオマージュがあるような気がします。
楽隊のユニフォームを思わせる水色の帽子とジャケット。
黄色のベストに赤い蝶ネクタイでお洒落をし、まあるい指先で笛を持つ白猫ビル。
身体を傾げながら、どんなメロディを奏でているのでしょうか。
◆England
◆Beswick
◆推定製造年代:c.1990年代
◆素材:陶器
◆サイズ: 高さ約10.7cm
◆重量:81g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですがとても良い状態です。欠けやヒビは見当たりません。
*底面にわずかに汚れがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A