ドイツヴィンテージ・シルバーのブローチ。
英国のマーケットで手に入れた美しいブローチ。
センターにあしらわれているのはアイルランドの国章、ハープと、アイルランドの守護聖人セント・パトリックの持物シャムロックがモチーフとなっています。
精緻な細工にすっかり感動して手に入れてしまいました。
アイリッシュハープは古い歴史をもち、12世紀ころから存在していたといわれています。
16世紀にヘンリー8世がアイルランド王即位を宣言すると、青地に金色のハープがアイルランドの紋章として加えられました。
アイルランドを代表するビール、ギネスもハープをマークとしており、まさにアイルランドを象徴するアイコンといってもよいでしょう。
また、ハープの背景には、淡い緑色の石が嵌めこまれています。
これは Connemara Marble/カネマラ(コネマラとも)マーブル(もしくはカネマラ・アガート/瑪瑙、とも呼ばれます)という天然石。
カネマラとはアイルランド西部の山地の名前であり、カネマラマーブルはそこで産出される緑色がかった天然石です。
美しい色・文様をしているため、古来よりケルト民族の魔除け石とされてきました。
現代ではだいぶ産出量が少なくなり、宝飾品としての扱いが多くなっているようです。
そして全体に散りばめられているのはマーカサイト。
マーカサイトとは白鉄鉱のことで、古代ギリシャの頃にも宝飾品として用いられ、インカの時代には鏡として使用されていたと想像される形状にて発見されています。
鏡面仕上げにした多面カットのマーカサイトで仕上げられたアクセサリーは、控えめながらもきらきらとした反射が美しく、あたかも無数のダイアモンドを散りばめたよう。
英国では19世紀後半から20世紀初頭にかけて大流行いたしました。パワーストーンとしても親しまれ、冷静・明察・英知・沈着を表すといわれています。
ハープとシャムロックをモチーフに、カネマラマーブルとマーカサイトを駆使したブローチ。
てっきりアイルランドのものかと思っていましたが、背面に以下の文字を発見いたしました。
935
GERMAN MADE
そう、実はこれはドイツ製。
シルバー925よりも銀の純度が高いシルバー935で出来ています。
また、留め具の針部分には「METALL」という文字もみられます。
ドイツ語で「金属」の意味となり、針はシルバーではないですよ、ということでしょう。
几帳面なドイツらしい仕事ぶりを感じることが出来ます。
推測としては、カネマラマーブルを提供しつつ製作はドイツの工房にまかせ、販売はアイルランドで行われていたのではないでしょうか。
精緻な仕上がりはその工房しかできないものだったのかもしれません。
アイルランドのシンボルを精緻な細工で堪能することの出来る、美しい装飾品。
こだわりのヴィンテージ・アクセサリーとしていかがでしょうか。
◆英国買付/Germany
◆推定製造年代:c.1940年代頃
◆素材:シルバー935、金属、石
◆サイズ:幅約5.2cm 高さ約1.5cm
◆重量:6g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ブローチ留め金具は、ご使用可能と判断してご紹介しておりますが現代の物に比べればわずかに操作性に劣ります。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A