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Sunday

手袋を仕舞う場所 / Antique Wooden Gloves Box

 英国アンティーク、グローブボックス。

















グローブボックス・・・って、よく聞く言葉だと思いませんか?


車のフロント部、ダッシュボードの助手席前側に設けられた小物入れをグローブボックスと呼びます。

蓋がついていて、車検証などを入れていることが多いスペースですが、もともとは運転用の手袋を収納していたため、この名前となっています。


ちなみに英語では主に「glove compartment/グローブコンパートメント」とよび、用途は同じく手袋入れでした。

日本人には「コンパートメント」が少し難しいので、誰かが「ボックス」に変換したのかもしれません。


そして、英国で「グローブボックス」と呼ばなかったのは、もともとの「グローブボックス」が普遍的に存在しているため、「グローブボックス」と呼べばそれらと混同してしまうから・・・なのではないか、と個人的には推測しています。



前段が長くなりました。

今回ご紹介するのは、そのもともとの「グローブボックス=手袋を仕舞う箱」です。



グローブボックスがいつから存在していたのかは定かではありませんが、手袋をつけて外出することが紳士淑女のたしなみであったヴィクトリア時代には、色々な意匠のグローブボックスがつくられました。

木に凝った彫刻が施されたもの、象嵌細工のもの、絵が描かれたもの・・・。

基本的には細長い形状で程よい深さがあり、手袋が上手く収められるような形状で、鍵付きのものも多く見ることができます。


今回のお品物は主素材がオークで出来たシンプルなもの。

蓋には絵が描かれていますが、それほど装飾的ではありません。

何故か「GLOVES」の文字がほとんど消えていますが、光の反射によって昔の文字跡が不思議に浮かび上がる感じになっています。

おそらくは描いた塗料と、その後にメンテナンスで塗ったニスとの相性で、溶けてしまったのではないかと思われます。

底板は比較的近年に張りなおされたと思われる合板。その他はオークの無垢材で出来ています。

小家具の底板や背板は、構造材と比べれば薄い材で仕上げることが多いため、かなり傷んでいたのではないでしょうか。底板を貼り直し、二スを塗り直しながら大切に使われてきたことを伺わせます。開閉は前板の小さな金具を押し込みながら上蓋を開けば、ぱかりと開きます。



最高級のグローブボックス・・・とは言えませんが、誠実な作りであり、大切にされてきた中産階級の持ち物であったのではないかと思います。



現代日本では大きさ的に筆記具などをいれていただいても丁度良いかと思いますが、もちろん手袋入れにしていただいても。


手に馴染む頃合いの大きさの木箱を使いながら、手袋と車の歴史に想いを馳せてみるのも一興かもしれません。




◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:木(オーク)、その他

◆サイズ外寸:幅約25.6cm 奥行き約8.2cm 高さ約5.8cm

◆サイズ内寸:幅約24.4cm 奥行き約6.2cm 本体深さ約3.5+蓋深さ1.4cm

◆重量:295g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や色落ち、材の欠け等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*開閉は説明の通り両手で行う必要がありますが、問題なく動作します。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A